韓国といえば「Chicken or Die」ですが、チキン屋ばかりではダメだろというので、コーヒーショップがやたら増加するという事態になっています。
↑韓国「コーヒーショップあり過ぎ問題」。これは韓国ドメスティックなコーヒーチェーン『メガコーヒー』。
日本よりスタバの店舗数が多くなった――というニュースをご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
2024年第3四半期時点では、国別の『スターバックス』の店舗数Top5は以下のようになります。
第1位 アメリカ合衆国……1万6,935店
第2位 中国……7,594店
第3位 韓国……1,980店
第4位 日本……1,809店
第5位 カナダ……1,483店
データ出典:『Statista』
韓国は確かに日本より店舗数が多く、世界第3位のスタバ大国です。韓国の人口は日本の41.5%しかありませんので(2023年時点で日本:1.245億人/韓国:5,171万人)、人口比からすると韓国はスタバありすぎ国です。
しかし、これも自営業者が多いという理由です。実際スタバに限らず、韓国ではコーヒーショップがやたらに増えています。韓国の統計庁の「サービス業調査報告書」によると、2016年には5万1,551店だったのですが、2022年には「10万729店」とほぼ2倍に増加しました。
会社勤めを早く切り上げざるを得ない韓国では、自営業者になる人が多いですから「コーヒーショップ」を選ぶ人が増加したと考えられます。
では、このどん底景気の中、うまくいっているのかというと――。
2025年02月17日、『韓国信用データ』(略称「KDC」)が「2024年第4四半期(10~12月)の小商工人動向」というリポートを公開しています。以下をご覧ください。
2024年第4四半期 小規模事業者経営指標
売上推移
2024年第4四半期売上: 4,798万ウォン経営指標
売上: 4,798万ウォン
前年同期比 (2023年第4四半期比) 1.07%増加
前期比 (2024年第3四半期比) 10.77% 増加支出: 3,639万ウォン
前年同期比 (2023年第4四半期比) 0.20%減少
前期比 (2024年第3四半期比) 0.10%増加2024年第4四半期、小規模事業者の売上が反発も、根本的な回復とは言えず
2024年第4四半期(10月~12月)の小規模事業者の売上が増加したものの、これは季節的な要因による一時的な影響であり、本格的な回復とは見なしにくいとの分析が出ている。(中略)
業種別の売上動向
2024年第3四半期と比較すると、外食業のうち洋食とアジア料理の売上は増加 したものの、カフェの売上は9.5%減少した。
(後略)
本格的な回復があったとはいいにくいとし、「カフェの売上は9.5%減少した」と、参入の多いコーヒーショップが打撃を受けていると言及しています。約10%下落ですから、これは深刻です。
資本が小さくても参入しやすいコーヒーショップなのですが、その経営環境は非常に苦しいものと見られます。参入しすぎなのではないでしょうか。
また、注目したいのは以下の部分です。
個人事業者向け融資を抱える事業所:362万2,000カ所
このうち86.7%(314万カ所)は借入があるものの営業を継続しているが、13.3%(48万2,000カ所)はすでに廃業(国税庁の申告基準)している。
廃業した事業所の平均延滞額は568万ウォン、平均融資残高は6,185万ウォンだった。
融資を受けている事業所のうち、13.3%はすでに廃業している――というのです。つまり、10軒に1軒以上は飛んでいます。しかも融資残高の平均が6,185万ウォンですから、ざっくり1/10で計算しても約619万円。個人で抱えるには大きな借金です。
だんだん気持ちが暗くなってくる話ですが、韓国は非常に厳しい状況に陥っています。
(吉田ハンチング@dcp)