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韓国「日本人と議論して負けそうになったら」という話

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「史上最悪になった日韓関係をよくする」といった言葉が聞かれるようになってきました。しかし、この「よくする」というのはどういう意味でしょうか。

そもそも「現在の日韓関係は最悪の状況なのか」という点が疑問です。日本は韓国に対して「法的にきちんと対応しろ」「国際法を順守せよ」と主張できています。

「最悪」というのは、韓国に文句をいわれると、たとえそれが理不尽なものであっても、国益を損なうことであっても受け入れてきた時代のことではないでしょうか。

「よくする」のが、「韓国にとって都合がいい」「日本が常に韓国に譲歩する」という意味であるなら、「よくする」必要があるでしょうか。

「日本は韓国を併合し悪いことをしたのだから言うことを聞け」といった言葉に頭を垂れる必要はありません。全く建設的ではないし、日本の国益になんら資するところがないからです。

少し長くなるのですが、韓国について深い知見をお持ちの田中明先生の指摘を以下に引いてみます。

(前略)
前回で、私は日本の地主や資産家にあった、小作や労働者に対する「負い目」の意識について語った。

日本人は、一般に持てる者は持たざる者に対し、支配者は非支配者に対し、心の奥底で罪悪感のようなものを覚えるように育てられてきた。

植民地支配に対する負い目の意識もそこから発している。日本が西欧諸国と違って、「侵略」に対する反省と謝罪を述べ続ける唯一の国なのはそのためである――と。

そうした倫理的な心情に対し、韓国や中国は、それを政治的優越の材料として利用してきた。

「お前たちはわれわれに悪いことをしてきたから、われわれの言うことを聞け」と言うのに対し、負い目の意識を有する日本人は、それに抗することができなかった。

戦前の歴史を経験してきた世代が、双方に存在しているときは、とくにそうであった。

戦前の朝鮮で小中学校時代を送った私にも、そうした心情がある。だから、敗戦後、中国や南北朝鮮の日本糾弾の前には、頭を垂れてきた。

だが、それは新しい健康な日朝・日中関係を打ち立てる方向には機能しなかった――というのが苦い反省である。

かつて戦後日本に来たある朝鮮人が、こう言っていた。

日本人と議論していて負けそうになったら『君たちは日帝三六年間に、われわれがなめてきた苦しみが分かるか』と言うんだ。

そうすると向こうはクシュンとして降参するんだな。僕もそれをやりましたよ。おかげで日本というものを知るのに、一〇年以上かかった。無駄な時間を過ごしたものだ」。

彼は日本人の負い目の意識を利用することによって、自分たちの「反日」が安易なものになったと教えてくれた。日本人の負い目の意識は、かつて彼らの父祖が命がけでやった「反日」を、気楽なものにしただけだったのだ。
(後略)

⇒引用元:『遠ざかる韓国 冬扇独語』著:田中明,晩聲社,2010年01月10日 第一刷発行,pp87-88

日本人の負い目意識につけこんでくる韓国、中国に対してただただ頭を垂れるだけではなんにもならない、「それは新しい健康な日朝・日中関係を打ち立てる方向には機能しなかった」と田中先生は吐露されています。

全くそのとおりです。「韓国との関係をよくする」の「よくする」がどういう意味なのかを、日本はもっとよく考えてから動くべきです。

(吉田ハンチング@dcp)

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