2022年07月05日、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は「第30回 国務会議」を開催し、重要な決定を行いました。
前文在寅大統領が行ってきた「脱原発政策」の完全な廃棄です。
⇒参照・引用元:『韓国 第20代大統領室』公式サイト
この国務会議において、「新政府エネルギー政策の方向性」を審議、可決しました。
これにより、あの文政権下で産業通商資源部が2019年に出した「第3次エネルギー基本計画」は葬られ、同時に2021年10月18日に出た「2050カーボンニュートラル」ロードマップも廃棄されることになります。
上掲記事でご紹介したことがありますが、このロードマップが無茶苦茶で、2030年には以下の比率で電力生産を行うとしていました。
2030年の電力生産
原子力:23.9%
石炭火力:21.8%
LNG火力:19.5%
再生可能エネルギー:30.2%
アンモニア・ガスタービン:3.6%
その他:1.0%
40%を締めている「石炭火力発電」を半分にし、「LNG火力発電」の割合も下げ、その分を再生可能エネルギーに担わせようという無茶さで、その上、まだ韓国では影も形もない「アンモニア・ガスタービン発電」にも3.6%を背負わせるというのです。
どうしてそこまで自分の国に自信を持つことができるのか、さっぱり分かりませんが、このような無茶苦茶な計画(まさに絵に描いた餅)が破棄されるのは、韓国にとっていいことです。
今回の「新政府エネルギー政策の方向性」によって、2030年に「23.9%」になる予定だった原子力発電を「30.0%」に拡大。
新ハンウル3・4号機の建設を推進し、運営許可が終わる予定だった原発10基も継続延長。これによって2030年の稼働原発は計28基となる予定です。
さらに、文政権によって雨後の筍ように増えた再生可能エネルギー発電施設も合理的な水準に調整するとしました。
・「資源安全保障特別法」を推進して、重要な鉱物資源の確保に乗り出す
・石油ガスの中東依存度を緩和して民間によるLNG直輸入を拡大
といった方針も打ち出しています。どれも韓国にとってはいいことです。
とにかく前文政権は、基本的なエネルギーインフラ施策が無茶苦茶でした。尹錫悦(ユン・ソギョル)政権はそれを逐一ひっくり返さねばならないのです。
(吉田ハンチング@dcp)