韓国文在寅大統領が主導するエネルギーインフラ政策は、そもそもが無茶苦茶で支離滅裂なものでした。「2050年にカーボンニュートラルを実現する」と宣言して以降それに拍車がかかり、ついに最悪なものとなりました。
2021年10月18日、「2050カーボンニュートラル」についてのシナリオが発表されたのですが、これが絶句するしかない内容なのです。
最新シナリオの無茶苦茶な内容
08月に出した資料では、シナリオを3つの案に分け、
②LNG火力発電所は維持
③LNG火力発電所と石炭火力発電所の両方を維持
としていたのですが、これを、
B:LNG火力発電所は維持
の2つに絞ってしまいました。
つまり「石炭火力発電所は全部廃止する」ことを規定路線にしたのです。
今夏にブラックアウトの可能性が高まって、整備中という名目でオミットしていた原発を急きょ稼働させ、火力発電所をフル稼働させてしのいだのをもう忘れたのでしょうか。
その上で、再生可能エネルギーによる電力生産を総需要の「60.9~70.8%」まで高めるとしています。
これ自体が無理がある計画ですが、その上、無炭素で済む「アンモニア・ガスタービン発電」という現在韓国にまだないどころか、世界でもまだ実装されていない発電システムによる電力生産も見込んでいます。
以下が2021年現在の電力生産に占める割合です。
原子力:24.7%
石炭火力:40.3%
LNG火力:36.6%
再生可能エネルギー:7.0%
上掲を2030年には以下のようにするというのです。
原子力:23.9%
石炭火力:21.8%
LNG火力:19.5%
再生可能エネルギー:30.2%
アンモニア・ガスタービン:3.6%
その他:1.0%
現在「石炭火力発電」が40%あるものを半分にして、「LNG火力発電」の割合も下げ、その分を再生可能エネルギーに担わせようというプランですが、これは無理です。
というのも、Money1でも何度もご紹介しているとおり、韓国では太陽光・風力発電施設を乱造しているものの送電網・変電所・電力貯蔵施設というロジスティックの部分が全く追いついていません。
発電施設だけ造っても蓄電ができ、送電網に接続されていなければ全くの無駄。ピーク時につくった電力がためられないので、ブラックアウトが発生する可能性が高くなるだけです。
『三菱重工』に頭を下げないと実現できません
アンモニア・ガスタービン発電に至ってはなにをかいわんやです。水素(そしてアンモニア)を用いた無炭素発電の開発と実現については日本の『三菱重工』が世界一です。アメリカ合衆国『GE』、ドイツ『シーメンス』としのぎを削って最先端を走っています。
韓国にはそんな技術はありません。
また、韓国は『三菱重工』を戦犯企業などと呼んで貶めていますから、韓国には絶対に技術供与など行うはずがありません。また、裁判所が愚かな決断を下す可能性があるので、そんなリスクがある国に製品を輸出するとは思えません(差し押さえられたらどうするんだ!)。
ですから、もしこのエネルギー計画を実現したいのであれば(実現できませんけれども)、韓国(司法含む)は『三菱重工』に頭を下げて発電設備一式を買うしかないのです。
北朝鮮から電気を買うつもりじゃないのか?
この計画がダメなのは、「北東アジアグリッド計画」なるものが入っている点にもあります。
中国、ロシアなどから電力を総需要の「2.7%」購入する、というのです。
このようなバカな計画を文在寅政権が推進する理由は簡単です。親北の文政権にとっては都合が良いからです。
朝鮮半島の南半分を占める韓国は、いわば陸の孤島で、北朝鮮を通さなければ中国、ロシアから電線を引けません(海を渡すのであれば別ですが)。
北東アジアグリッドなる計画を実現するにはどうしたって北朝鮮を巻き込まなければできません。そのため、文政権はこの計画をイキにしているのです。
北朝鮮の金正恩総書記に原発関連資料入りのUSBを渡した文大統領ですから、「北朝鮮に原子力発電所を建ててそこから電気を買う」ぐらいは言い出しかねません。
しかし、他国から電気を購入するということは、エネルギーインフラを他国に依存するということです。
安全保障上まずいと分からないのでしょうか。電気を止められたらどうするつもりでしょうか。
よくまあこんな無茶苦茶な計画を推進するアンポンタンを大統領に選んだものです。「最悪」です。
(吉田ハンチング@dcp)
北朝鮮と接触したい文政権