2021年10月18日、『韓国銀行』から「2021年09月の国際金融・為替市場の動向」が公表されました。この資料の中に、外国人投資家が韓国の証券市場でどのように売買したのかのデータがありますので見てみます。
2021年09月外国人投資家の資金流入
株式市場:+24.2億ドル(約2,769億円)
債券市場:+46.0億ドル(約5,263億円)
小計:+70.1億ドル(約8,021億円)※足し算すると合いませんが原資料のママ
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年9月 国際金融・為替市場の動向」
株式市場、債券市場ともに「+」で、つまり資金流入ですから、外国人投資家は韓国の株式・債券市場にお金を突っ込んでくれたわけです。
09月単月では、株式市場では外国人投資家が5カ月ぶりに買い越しに転じ、債券市場に入れるお金の量が増えました。「外国人投資家が帰ってきた」という状況です。
しかし、累計で見ると以下のようになります。
株式市場:-210.0億ドル(約-2兆4,028億円)
債券市場:+464.7億ドル(約5兆3,171億円)
小計:254.7億ドル(約2兆9,143億円)
※データ引用元は同上
まず株式市場。09月単月では「外国人が帰ってきた」なのですが、累計ですでに210億ドルも株式市場から資金を抜いています。昨年が「182.4億ドルの資金流出」でしたから、資金を抜くペースは昨年より上がっているのです。
次に債券市場。何度もご紹介していますが、債券に資金を投じてくれるのはありがたいことですが、これは借金です。定期的に利払いを行って、最後には元本を返済しなければなりません。つまり外国人投資家に対する債務を増やしていることを意味します。
2021年の累計はすでに「464.7億ドル」に達しています。2020年の累計が「217.1億ドル」でしたので、すでに倍以上の債務を積み上げたと見ることが可能なのです。
総じていえば、外国人投資家は昨年を上回るペースで韓国株式市場から資金を抜いており、韓国は債券を介して昨年の倍のペースで債務を増やしている――わけです。
(吉田ハンチング@dcp)