韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が躍起になって輸出を増やせと号令をかけていますが、ひとえに貿易もうからないと国が傾くからです。
実際、経常収支は減少傾向を続けており、赤字化も見えてきましたので「もう傾いてる」ともいえるわけですが、事態はけっこう深刻です。
韓国としては、とにもかくにも「輸出 – 輸入」で求める貿易収支が大きな黒字でないといけません。しかし、資源・中間財などが高止まりして輸入金額が減少しません。
そのため政府としては「輸出を増やせー!」と連呼して、それに向けてできることをするしかないのです。
韓国の輸出は徐々に半導体頼みになりつつあるのですが、困ったことにその半導体の輸出が減少しており、二進も三進もいきません。
その窮状は、韓国の産業通商資源部が公表した「輸出入動向」にはっきり現れています。
以下がその資料の中の、韓国の15大輸出品目の2021年11月~2022年11月の輸出金額の推移です。
この中から半導体だけ取り出して、2022年の輸出金額の推移をグラフにすると以下のようになります。
2022年10月に半導体輸出は「マジノ線」という「100億ドル」を割り、「92.3億ドル」に下落。
マジノ線とかいってるから破られるのだと思わずにいられませんが、11月にはさらに下がって「84.5億ドル」まで落ちました。
ちなみに10月の100億ドル割れは、実に18カ月ぶりのことなのです。
対前年同期比の増減をグラフにすると以下のようになります。
08月に「-7.8%」、マイナスつまりは前年割れに落ち込み、11月はとうとう「-29.8%」となっています。前年のほぼ3割減少です。
このまま半導体輸出が低迷すると韓国は困ったことになります。半導体のへこみ分を取り返せそうな輸出品目は他にはありません。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は「原発と防衛産業だ」などといっていますが、いかに困っているかをストレートに表した言葉と捉えることができます。
(吉田ハンチング@dcp)