確かに韓国のエラい人は「ワシが討って出る」が好きではありますが、その韓国ですらこういう大統領は珍しいでしょう。
UAEで売り込みに成功したと判断した尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、帰国後、2023年01月25日、国務会議を主宰し、スタッフ・政府機関に檄を飛ばしました。
「『第2の中東ブーム』を起こすために全省庁が営業社員に飛躍してほしい」
と述べています。韓国の第20代大統領室は以下のような動画をYouTubeに上げています。
面白いのは動画のタイトルです。
「【特集映像!】1号営業社員尹錫悦の2番目の出張地は?」というタイトルで、いかに尹錫悦(ユン・ソギョル)さんが外遊で営業を熱心に行ったかをアピールしています。
ハングルが分からなくても構わないのでぜひ見てください。
ご注目いただきたいのは「音楽」です。日本の官庁なら恐らく絶対にやらないでしょうが、劇的な盛り上がるBGMが使用されており、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の活躍を胸に迫るものにしています。
韓国経済の屋台骨を支える輸出が傾いていますので、大統領が先頭に立って海外に売り込みを行わなければならないでしょうが、ここまで熱心なのは見上げたものです。前文在寅大統領の場合は、格好いい言葉だけで泥臭く営業はよそに丸投げでした。
今回の営業については、「率先垂範」という意味で尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は評価できます。
ただし、あえて意地悪な突っ込みを入れるなら、UAEが表明したという投資についてはまだ着金したわけではありません。交わしたのはMOUであって、これは契約書ではありません。あくまでも覚書です。実際の契約・受注には至らない可能性があります。
「これまでの歴代政権の中で最大の成果」と誇っていますが、最大の成果となるかどうかは「着金ベースで改めて検証する」のがよいと思われます。
また、気になるのは「第2の中東ブーム」という発言です。
若い世代の方はご存じないかもしれませんが、韓国はかつて中東の建設ラッシュに湧いた時代があったのです。猫も杓子の建設会社を造り、融資を受けて中東のインフラ建設仕事に邁進しました。
以下の記事でご紹介しましたが、最後ははかなく蜃気楼のように消えました。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は「時には起こせよムーヴメント」と檄を飛ばしているのですが、「第1次」と同じく蜃気楼のように消えないといいですが。
(吉田ハンチング@dcp)