韓国の監査院は法的に独立した存在で、政府機関(地方政府含む)について強力な監査権限を有しています。監査院の調査については誰も阻むことができません。
そのため、大統領選挙に敗北して下野することが決まった『共に民主党』は、前文在寅政権末期に「監査院から捜査権を剥奪する法案」を通そうとしたことがあります(下掲の先記事でご紹介しました)。
自分たちが監獄に行かないためです。
「検察の捜査権を完全に剥奪する法案」を強行採決したのも同様の意図ですが、よくまあこのような卑怯な人々が政権を握っていたものです。
『共に民主党』の卑劣は今に始まったことではありませんが、ともかく韓国の監査院は恐れられるほどの力を持っているのです。
李在明が首長時代に行った事業が標的!
その監査院が、『共に民主党』の李在明(イ・ジェミョン)党首が首長を務めた京畿道と城南市に対する監査を今年の上半期に行います。
監査院が京畿道を対象として監査を行うのは2017年以来の6年ぶり、城南市を対象とするのは2010年以来のなんと13年ぶりです。
監査院はすでに2023年01月30日から、「2018年01月以降の京畿道庁と直属機関、傘下公共機関などの機関運営に対する予備調査」に着手しています。
李在明(イ・ジェミョン)さんが京畿道知事だったときに進めた「地域通貨事業」「南北民間交流事業」などに関する資料を要請したことが分かりました。
これは明らかに李在明(イ・ジェミョン)さんをターゲットにした監査と見られます。すでに幾つかの疑惑で検察からの捜査にかかってはいますが、叩けば他にもほこりが出るでしょう。
注目は「南北民間交流事業」です。
すでに『SBW』(サンバンウル)の元会長キム・ソンテさんが「李在明(イ・ジェミョン)さんが訪北できるように北朝鮮に300万ドル※を送金した」という情報が出ています。
※「最初北朝鮮からは500万ドルと言われたので値切った」という話もあります。
この南北民間交流事業での資金の流れは追う価値が十分にあります。
文政権での事業も洗え!
また、監査院は文在寅政権が行った政策についても監査の手を伸ばしています。文政権下で財政が大幅に悪化したためです。
Money1でもご紹介したことがありますが、文政権下では、公社・公的機関の財政が大幅に悪化しました。例えば雇用保険基金です。
雇用労働部によれば、2018~2022年に積み上げられた雇用保険財政収支の赤字は「4兆9,000億ウォン」にもなるのです。
雇用保険積立金は2017年の10兆3,000億ウォンから2022年末に5兆3,000億ウォン(推計値:まだ確定値が出ていないため)に急減しました。
監査院は、文政権末期に大統領も肝いり企画だった「韓国型ニューディール政策」も監査対象に含まれています。例えば「グリーンスマート未来学校」です。デジタル化を推進し、未来の学校にグレードアップするとぶち上げましたが、これなども外部の企業と業者と癒着しやすい事業といえます。
政府の補助金がいったいどこに流れたのかは追う価値があるでしょう。
李在明・文在寅が2大ターゲットだ!
韓国メディアによれば、監査院は、
・優越的地位を利用した公職者の利権介入
・裁量権の乱用など不法行為
・事業推進過程での不当な特恵提供
・許認可の遅延・推進
などの行為を点検するつもりだ――と書いています。
また、上級公職者・団体Topの不法行為については、行政上の責任だけでなく、民刑事上の責任も積極的に検討する予定――とのこと。
『共に民主党』が権力を握っていた時代に何が行われたのか、監査院が本腰を入れて調べることが明確になりました。いったいどれだけの職権乱用、特恵提供などが発見されるでしょうか。
監査院が標的にしているのは李在明(イ・ジェミョン)さんだけではありません。上記のとおりで、文在寅さんもまた標的です。
監査院の本気に期待大です。
(吉田ハンチング@dcp)