『韓国電力公社』の2022年の業績が公開され、証券会社のコンセンサスを下回る「営業利益:-32.6兆ウォン」という大赤字となりました。
値上げが必須の状況で……
韓国の企画財政部は、先に「このままでは2023年03月には『韓国電力』が流動性危機に直面する」と述べておおり、キャッシュフローが懸念されています。
公社で親方太極旗ですので、さすがに飛ぶことはありませんが、ないならないで韓国政府が手当てをするしかありません。
一番簡単なのは電気料金を上げることですが、尋常ではないインフレに襲われ、金利が上がる局面で生活に困窮する人が増えていますので、電気料金を上げるのは難しくなっています。
また、2024年04月には国会議員の総選挙があります。
ここで電気料金を上げると国民の不興を買って、与党『国民の力』の議員の当選がおぼつかなくなる可能性があります。そのため、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権としても強く「値上げ」というわけにはいかなくなっています。
2022年には、『韓国電力』自身がリポートを出し、経営を安定させるためには「51.6ウォン」の値上げが必要としました。
しかし、急にそれだけ値上げするわけにもいかず、2023年第1四半期、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は(それでも)特例として「13.1ウォン」の料金Upを認めました。必要な値上げ料の25.4%です。
このままいくと……
燃料となる資源価格は、小幅下落しましたが、いまだに高水準にあります。
本来であれば、第2四半期にも値上げするべきですが、上掲のような理由でできません(政府がやる気がありません)。問題はこのままいくと……なのです。
2022年よりはマシなのですが、このまま放置すると「2023年には15~20兆ウォン規模の赤字を出す」という予測が出ているのです。
『韓国電力』にお金を入れるのが急務の状況です。
(吉田ハンチング@dcp)