ストレートな物言いですが本当なので仕方ありません。
2023年04月28日、韓国の企画財政部が「2023年03月の国税収入の状況」というプレスリリースを出しました。Money1でも先にご紹介した「国税収入が全然足りないので政府財政がパンクするぞ」という件です。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。– 3月の国税収入累計 : 87.1兆ウォン
– 前年同期比-24兆ウォン、進捗率21.7%’23年3月累計の国税収入は87.1兆ウォンで前年同期比△24兆ウォンと減少したが、税制支援による繰延税収の減少などによる基礎効果(△9.7兆ウォン*)を考慮すると、実質的な税収減は△14.3兆ウォン水準である。
* ’21年・’22年下半期の税制支援による繰延税収などによる’22年・’23年1~3月の税収変動効果(総合所得税△2.3兆ウォン、法人税△1.6兆ウォン、付加価値税△3.4兆ウォン、関税などその他△2.4兆ウォン)
韓国メディアでもずいぶん騒がれましたのでこのようなプレスリリースが出たものと思われます。
韓国政府自身が「税収が足りない!」と認めたことになります。
2023年第1四半期(3月末)時点で足りない税収は「24兆ウォン」。
上掲に「進捗率」とありますが、これは03月時点で当初予算の計画よりどこまで進行しているかを示しています。通年100%のうち「21.7%」まで税収があったというわけです。
四半期が終わった時点ですから、普通なら25%は税収がないといけません。実際、ここ5年平均の「26.4%」を大きく下回っています。
韓国政府は、「24兆ウォン足りない」のではなく「実質は-14.3兆ウォン水準」と言い訳していますが、足りないのは事実ですし、支出の方は実際に出ていっているのでそんなことを今言っても仕方ありません。
細目を見ると、以下のようになります。
ㅇ(所得税)不動産取引の減少*及び総合所得税の基礎効果**などにより、譲渡所得税、総合所得税を中心に7.1兆ウォン減少した。
* 住宅売買量(前年同期比,%):
(’23.01月)-38.2、純土地売買量(前年同期比,%): (’23.01月) -43.7**小規模自営業者の中間予納納期の延長(’21.11月 → ‘22.2月)など総合所得税-2.3兆ウォン
ㅇ(法人税)’22年第4四半期以降のグローバル景気減速および輸出不振*による’22年の企業営業利益の減少および税収繰り延べの基礎効果**などで6.8兆ウォン減少した。
*輸出額: (‘21.10~12月) 1,767億ドル → (‘22.10~12月) 1,590億ドル <-176.8億ドル、-10%>。
**中小企業の中間予納納期の延長(’21.08月 → ‘21.11月)に伴う分納税額繰り延べ(’21.10月 → ‘22.01月)など-1.6兆ウォン
ㅇ(付加価値税)還付金の増加および’21年下半期の税政支援による税収繰り延べの基礎効果(-3.4兆ウォン)などによって5.6兆ウォン減少した。
ㅇ(交通税)石油税一時引き下げ*などにより0.6兆ウォン減少した。
(後略)
7兆1,000億ウォンも減少している所得税が目立ちます。
第1四半期の住宅取引量が2022年の半分に減ったため、譲渡所得税の収入が小さくなりました。
利益が出せない企業が多くなり、法人税も6兆8,000億ウォン減少しています。
高物価と景気低迷によって消費が萎縮し、付加価値税は5兆6,000億ウォン少なくなりました。
韓国政府にとって痛いのは住宅市場の低迷です。公示価格が2022年より平均18.6%下がったため、総合不動産税、財産税など不動産保有税数は大幅に減る見通しです。
そもそも、2023年の韓国政府の税収予算は「400兆5,000億ウォン」※です。24兆ウォン減ったということは、約6.0%も目論見からずれたということです。
また、『サムスン電子』や『SKハイニックス』など、韓国経済の屋台骨を支える企業の第1四半期の業績が悪いですので、予定どおりの法人税収入があるのかも怪しくなってきました。
「大丈夫なのか」と懸念されるのは当然のことです。
※この税収で支出予算は「638兆7,000億ウォン」となっている点にもご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)