対岸の火事なので、まあ何でも好きにしなはれ――なのですが、韓国最大野党の党首・李在明(イ・ジェミョン)さんが、次期大統領選挙をにらんでんことでしょう――毎度おなじみの「ばらまき」を行う演説を行いました。
2025年02月10日、李在明(イ・ジェミョン)さんは第422回国会(臨時国会)において「回復と成長」をテーマに演説を行いました。
この演説で、李在明(イ・ジェミョン)は「30兆ウォン」規模の秋季補正予算を組むことをぶち上げました。
Money1でもご紹介してきたとおり、李在明(イ・ジェミョン)さんは「ベーシック・インカム」を提案するなど、そもそも社会主義的な政策を推進したい人物です。筋金入りのポピュリストであり、受けるためならウソをついてでもお金をばらまきたい――という動機を持っています。
地域通貨(いわゆる「クーポン」です)をまきたい――とかねてより提唱していましたが、親文在寅派、非李在明派との対立で「25兆ウォン規模の地域通貨発行」については「自分の案にこだわらない」と、一応は引いてみせました。
しかし、「お金をまく」という実弾効果が期待できる政策に自分がかかわっていないのは困るので、特に諦めたわけでありません。
もう何度だっていいますが、こんなウソばかり言っている真正のポピュリストをなぜ韓国の皆さんが支持しているのかがサッパリ分かりません。
本題の「30兆ウォン規模の補正予算」ですが、李在明(イ・ジェミョン)さんは、このうち10兆ウォンを「民生回復支援金」として投入する――と明らかにしました。
念のために言っておきますが、李在明(イ・ジェミョン)さんは政府与党の人間でもなければ、政府機関の代表者でもありません。にもかかわらず、すっかり帝王気取りで「政府予算」について指図しています。
この段階で「なぜ野党の人間が政府予算について指図しているんだ?」なのです。
それはともかく、10兆ウォンの中には、
・「共生消費支援金」:2兆4,000億ウォン
⇒クレジットカード使用額の一部をキャッシュバックで支給する
・「地域通貨発行」支援金:2兆ウォン
・「小商工人損失補償」:約2兆ウォン
が含まれています。こんなものショボショボやったところで大して効くとは考えられませんが、民間でお金が回らないときは政府が支出を増やせ――という処方箋自体は間違ってはいません。
問題は、「規模(が小さすぎて話にならない)」というのと「政府負債をまた急増させるのか」という点です。実は、今回の李在明(イ・ジェミョン)さんの提案には、見逃せないトピックが含まれています。
議員をリコールできるようにしよう!
李在明(イ・ジェミョン)さんは「国会議員の国民召喚制」を提案しました。これは、国会議員をリコールできるようにしようというものです。
一部の親李在明派議員が提出した法案を基にしたもので、「国民主権実現のための政治改革案であり、すでに国会で関連法案が提出されているため、今後国会で議論する」と述べました。
国民召喚制とは、国民が直接、選出した国会議員を任期途中で解任できる制度を指します。
李在明(イ・ジェミョン)さんのことなので、政敵の排除にこの仕組みを利用しようと考えているものと思われます。弾劾訴追ラッシュならぬ、国会議員のリコールラッシュが起こるかもしれません(どのようにリコールできるかの仕組みがまだ不透明です)。
いずれにせよ、国民が選んだ議員をリコールできる仕組みを作るなら、これは憲法も改正しなければならないでしょう。
李在明(イ・ジェミョン)さんの言うことなので、「国民主権実現」などというお題目に騙されてはいけません。このウソばかりついている人物が考えていることは「保身」です。
(吉田ハンチング@dcp)