韓国の外貨準備には「金」(Gold)が計上されています。
例えば、直近の2023年05月時点での外貨準備高は以下のように『韓国銀行』が公表しています。
2023年05月
外貨準備高:4,210億ドル(約58兆9,989億円)※
(前月比:-57億ドル)<<内訳>>
⇒Securities:3,790億ドル(約53兆1,131億円)
(証券類)
前月比:+46億ドル⇒Deposits:178億ドル(約2兆4,945億円)
(預金)
前月比:-100億ドル⇒SDRs:147億ドル(約2兆601億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:-2億ドル⇒IMF position:47億ドル(約6,587億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:-1億ドル⇒Gold:48億ドル(約6,727億円)
(金)
前月比:増減なし※円換算は2023年06月05日「1ドル=140.14円」のレートで算出
金は「48億ドル」保有しているとなっています。この48億ドルは毎月の公表でいつも変化しません。『韓国銀行』が外貨資産を時価計算していないからです。
では、その48億ドル分の金は本当にあるのか?――ですが、『韓国銀行』の職員が『イングランド銀行』まで行って確認した模様です。
実に33年ぶりのことです。
『韓国銀行』がプレスリリースを出していないので、遺憾ながら『毎日経済』の記事から一部を以下に引用します。
韓国銀行が保有中の金104.4t全量を任せたヨンラン銀行を直接訪問して実写したと6日明らかにした。ヨンラン銀行側が保安を理由に33年間、実物確認を拒否してきた金を両目で初めて確認したわけだ。
『韓国銀行』は11~13キロの金塊8,330個で構成された金104.4トンをイギリスの中央銀行である『イングランド銀行』に委託して保管している。
『韓国銀行』職員は先月23日、『イングランド銀行』を訪れ、予め約束した金塊200個と現場でランダムに選んだ5個など計205個について標本検査を行った。
検査の結果、一部の金塊で些細な表記エラーが発見されたことを除いては安全に保管されていることを確認した。
過去に、国内とアメリカ合衆国の『ニューヨーク連邦準備銀行』、投資銀行『UBS』などに分散保管された『韓国銀行』の金は、1990年に『イングランド銀行』に移転された。グローバル金市場がロンドンを中心に形成され、取引やドル両替が円滑だったためだ。
また、金レンタルを通じて追加収益を得ることができるのも利点だ。『イングランド銀行』よりも多くの金を保有する機関は『ニューヨーク連邦準備銀行』であるが、ここはレンタル事業よりも保管サービスに重点を置いているというのが韓銀の説明だ。
今回のデューデリジェンスは金を預けた後初めて行われた。『イングランド銀行』が2010年代半ばまでデューデリジェンスを許可しておらず、2020年に発生したコロナ19パンデミックの影響でデューデリジェンスが遅れた。
一方、『韓国銀行』は最近金相場が上昇する中、外国の中央銀行のように金保有量を増やさなければならないという主張が提起されたことに対して「慎重なアプローチが必要だ」と明らかにした。
『韓国銀行』は2011~2013年に金90トンを買い入れてから10年間、金保有量を維持している。
『韓国銀行』は
△金よりドル確保が優先
△金を売却したときに誤った信号を市場に発する可能性がある
△金価格がこれからも上昇するのか確実ではないという点などを理由に挙げた。
104.4トンの全てについて検証したわけではありませんが、とりあえず『イングランド銀行』で『韓国銀行』の金が保管されていることを確認しました。
韓国の保有する金には面白い話があって、1950年06月25日に北の侵攻によって開始された朝鮮戦争の折、1,070kgは釜山に移転できたのですが、移動できなかった223kgは北朝鮮の手に落ちました。
火事場泥棒で、もちろん返還されていません。
(吉田ハンチング@dcp)