韓国に行って実際に乗車すると分かりますが、韓国の鉄道は「荒い」です。「細部に美が宿っていません」ので、運行則は日本より(よく言って)緩く(悪く言えばずさん)、列車の造りも粗いです。
ガムテープで応急措置を行って平気で運行したり、最新の高速列車がスマホ画面が見られないほど揺れたりするのは、根本部分が(日本の基準からして)荒いためです。
韓国の鉄道について、韓国メディア『毎日経済』が面白いデータをスクープしています。
『韓国鉄道公社』(略称「KORAIL」)によると――2023年11月末までに「ソウル高速列車乗務事業所に寄せられた騒動による強制降車と鉄道警察への引き渡し」件数は計41件と集計された――とのこと。
2023年01~11月
・切符を購入せずに乗車した後、乗車券検査や乗車券購入要求を拒否:9件
・飲酒後の乱暴:8件
・喫煙:7件
・暴言や騒ぎ:7件
・痴漢やセクハラ:4件
・暴力:3件
etc
小計:41件
注意したいのは、これは「高速鉄道」についてのデータだという点です。また、この41件は2022年の69件よりは減少しています。
しかし、2022年には、
04月
大田から五松に向かう列車の通路で20代、30代の乗客が殴り合いを繰り広げた事件
馬山から幸信に向かう列車で、酔客が走行中の列車のドアを強引に開けようとした事件
05月
ソウルから馬山に向かう列車で乗客4人が焼酎とサムギョプサル、レタスを取り出し、酒宴を開く騒動
などが起こっています。『毎日経済』によれば他にも以下のような事案があったとのこと。
(前略)
この他、トイレのガラス窓を割ったり、停車駅でドアが開いた隙に喫煙し、それを止める乗務員に暴言を吐いた乗客もいた。初対面の女性乗客に隣の席に来て座れと何度も言って脅迫した乗客、乗務員をセクハラしたり、痴漢するなどの事例も多数摘発された。焼酎をボトルごと飲んでいた客に注意すると客室乗務員の顔を殴ったり、他の乗客を盗撮したりすることもあった。
(後略)
列車内での騒動については量刑を厳しくする方向で議論があり、国会国土交通委員会には「最大刑量を刑法上の一般暴行の最大懲役2年から3年に引き上げる法案」が上がっています。
(吉田ハンチング@dcp)