「げっ、まだやるのか」――という話です。
Money1でも散々ご紹介してきた「加徳島に新しい国際空港を建設する件」が本格的に推進されることになりました。
↑加徳島の場所。釜山のすぐ西です PHOTO(C)GoogleMap
2023年11月30日、韓国の国土交通部が「加徳島新空港建設公団の設立を本格化」というプレスリリースを出しました。
加徳島新空港建設事業を担当する公団の設立が加速する見通しである。
国土交通部長官ウォン・ヒヨンは、加徳島新空港建設公団(以下、公団)設立のための「加徳島新空港建設公団法(以下、公団法)施行規則制定案」を立法予告(2023.12.01~2024.01.10)する。
ㅇ公団は、敷地造成、滑走路、旅客ターミナルなど、加徳島新空港建設事業を担当する機関で、先月公団法の成立に伴い、来年の法令施行日に合わせて設立される計画だ。
(後略)
この企画のための立法を推進し、施行日には「加徳島新空港建設公団」が成立する――としました。
そもそも文在寅のゲスな考えで推進された採算性のない計画
何度もご紹介していますが、この加徳島新国際空港には経済性はありません。そもそもが新国際空港の建設候補地3カ所のうち、もっとも評価が低かったのが「加徳島」案だったのです。
なぜ、それが推進されたかというと、先の釜山市長補欠選挙で『共に民主党』候補を勝たせるために、文在寅大統領が強引に推したからです。この一事をもってしても、文在寅がいかに無責任な人物だったかが分かります。
そのときの選挙に勝てば「あとは野となれ山となれ」だったのですから。文在寅は、仲間うちが勝って金が回ればそれでよいという大統領だったのです。
もっとも、その釜山市長選挙は、『共に民主党』候補の惨敗という結果に終わったのですが。
釜山にEXPOは来ませんよ! なぜ誰も止めない?
それでもこの企画は止まらず、現在の尹錫悦(ユン・ソギョル)政権になっても続いています。これも文在寅政権下で加徳島新国際空港の建設を推進する――という法が成立したからです。
また、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権にも思惑があって、2023年08月24日に国土交通部は「新空港建設事業の基本計画案を策定し、年内に確定・告示する」と明らかにしました。
2024年初めに敷地造成のために設計施工一括入札方式で発注し、2024年末には着工。『2030釜山EXPO』開催前の2029年12月までに開港する――という突貫工事の計画でした。
しかし、読者の皆さまもご存じのとおり、2030年の『2030釜山EXPO』は夢と消えました。誘致に失敗したのです。
にもかかわらず、採算性がハナからないとされた加徳島新国際空港の建設をいまだに推進しようとしているのです。
なぜ誰も止めないのでしょうか。
世にもばかばかしい話ですが、「一度動き出したハコモノは止められない」を体現する事案です。
(吉田ハンチング@dcp)