アメリカ合衆国政府がようやく「Implementing Certain Tariff-Related Elements of the U.S.-Korea Strategic Trade and Investment Deal」を公示しました。
待たれていた官報がこれです。サマリーまでの和訳を下掲します。
「米韓戦略的貿易・投資協定」における特定の関税関連要素の実施
2025年12月04日付
合衆国通商代表部および国際貿易局による告示合衆国通商代表部(Office of the United States Trade Representative)
商務省(Department of Commerce)
国際貿易局(International Trade Administration)要旨(SUMMARY):
2025年11月13日、アメリカ合衆国と韓国(ROK)は、「韓国戦略的貿易・投資協定(U.S.-ROK Deal)」における07月の歴史的発表を再確認する共同ファクトシートを発出した。この協定は、米韓同盟の強さと永続性を反映するものである。共同ファクトシートは、米韓両国が U.S.-ROK Deal の下で米韓同盟をさらに推進するために取る措置を明示している。
商務長官および合衆国通商代表部代表は、合衆国税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection)長官および合衆国国際貿易委員会(United States International Trade Commission)委員長との協議の上、同協定を実施するために特定の関税修正が必要であると判断した。
本告示は、同協定の一定の関税要素を実施するため、合衆国の統一関税表(Harmonized Tariff Schedule of the United States)を改正するものであり、その中には、韓国を原産とする特定品目に対する関税の調整が含まれる。
これには以下が含まれる:
・修正された大統領令第14257号に基づく「国別相互関税(country-specific reciprocal tariffs)」・修正された大統領布告第10908号に基づく「自動車および自動車部品に対する関税」
・大統領布告第10976号に基づく「木材・製材およびその派生品に対する関税」
・修正された大統領令14257号、大統領布告9704(修正済)、大統領布告9705(修正済)、および大統領布告10962に基づく「特定の航空機および航空機部品に対する関税」
問題は「これから」です
韓国メディアでは、これでようやく「米韓関税交渉が終了した」と安堵の報道を出しています。
韓国が重要視していた自動車・自動車部品についての関税は、2025年11月01日に遡って「15%」となります。25%から引き下げられたわけですが、もともとは米韓FTAの恩恵で「0%」だったことを忘れてはなりません。
自動車および自動車部品:25% ⇒ 15%に引き下げ
11月14日 遡及適用
相互関税:25% ⇒ 15%に引き下げ
原木・製材および木材製品:15%に引き下げ
※自動車は2025年04月から関税25%、自動車部品も05月から関税25%となっていました。
日本とEUは2.5%だったので、韓国はライバル自動車メーカーに優位性があったのですが、今回のトランプ関税によって、15%の横並びとなりました。
問題は「これから」です。「対米直接投資2,000億ドル」と「韓国企業が行う1,500億ドルの投資」もまたこれから始まるのです。
(吉田ハンチング@dcp)






