韓国の原子力発電所で手抜き工事が発覚しました。露見したのは、04月から10月06日まで計画整備を行っていた「ハンビット5号機」(霊光5号機)です。
整備が終わり、蒸気発生器の交換後の性能検査を行っていた2020年10月26日、蒸気発生器と水位に警告が出て原子炉が自動停止しました。
上掲のとおり「リアルタイムステータス」で確認しても停止中です(2020年11月19日現在)。『原子力水力発電』のサイトによれば、
13次計画予防整備期間中交換した蒸気発生器の安全検査(定期検査含む)の一貫として、100%出力での負荷変動試験の最中に蒸気発生器と水位に異常を感知し原子炉は自動停止
となっています。
2020年11月19日、韓国の原子力安全委員会ハンビット原発事務所が安全協議会を開催し、「手抜き工事」の疑惑について公表しました。
5号機では、原子炉上部の管クリアランスのうち2つ(39番・67番)が規格に適合しない材質で溶接されていたことを確認した
とのこと。「管クリアランス」というのは「制御棒を挿入するための通路部分」と説明されています。これの溶接には「インコネル690」を用いなければならないところを、ステンレス系の素材を用いたとのこと。
「インコネル690」は「高クロムニッケル合金」で、耐腐食性に優れ、非常な高温に耐えることができます。これが用いられなかったため、負荷試験で異常が発生したと見られるのです。
また、発覚した2つ以外は大丈夫なのかと確認作業を行っています。
韓国の原子炉については、とにかくこの手の話が多すぎです。日本のすぐ近くで稼働している原子炉ですので、本当にきちんとしてもらいたいものです。
(吉田ハンチング@dcp)