韓国『LGグループ』にとっては大変な結果です。
火事を起こすことで問題になっていた『シボレー』ブランドの電気自動車「ボルト」(シボレーは『GM』傘下)。
発火の原因は『LGエネルギーソリューション』(当時は『LG化学』)が製造・納品した電池セルにあるということで、リコール費用の95%を負担することになりました。ただし、費用負担するのは『LGエレクトロニクス(LG電子)』の模様です(後述)。
以下は『GM』が2021年10月12日に出したプレスリリースです(一部を和訳)。
ゼネラルモーターズとLG電子、ボルトEVのリコール費用で合意
2021年10月12日(火)『LG』は『GM』にリコール費用と経費を返済する
ミシガン州ウォーレン『General Motors Co. Ltd.』(NYSE:GM)は、『LG Electronics Inc.』が、『LG』が供給するバッテリーモジュールの製造上の欠陥を原因とする「Chevrolet Bolt EV」およびEUVのリコールに関連する費用および経費をGMに償還することで合意したと発表しました。
この合意の結果、『GM』は第3四半期の収益において、リコールに関連する費用20億ドルのうち19億ドルを相殺する回復額を見込んでいます。
『GM』のグローバル購買・サプライチェーン担当副社長のShilpan Amin(シルパン・アミン)は、「『LG』は『GM』にとって大切な尊敬すべきサプライヤーであり、今回の合意は喜ばしいことです」
「当社のエンジニアリングチームと製造チームは、新しいバッテリーモジュールの生産を加速するために協力を続けており、今月中にはお客さまの車両の修理を開始できる見込みです」と述べています。
(後略)⇒参照・引用元:『GM』公式サイト「General Motors, LG Electronics Reach Agreement on Bolt EV Recall Costs」
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
上掲のとおり、『GM』はリコール費用20億ドル(約2,267億円)を第3四半期の決算に反映するが、『LGエレクトロニクス』がそのうち19億ドル(約2,153億円)を負担するので、これは返ってくると述べています。
つまり、『LGエレクトロニクス』はリコール費用の「95%」を負担することになったわけです。
なぜ『LGエネルギーソリューション』あるいは『LG化学』が負担しないのかは不明です。
『LGグループ』としての計算があるのかもしれませんが、『LGエレクトロニクス』の株主は業績に与える影響が甚大なものになると予想されるので、「なぜ『LGエレクトロニクス』が負担しなければならないのか」について会社に確認した方がいいのではないでしょうか。
普通に考えれば、株主訴訟を起こされても文句はいえない案件ではないでしょうか。
なにせ、『現代自動車』のときは当初最大でも負担額は1兆ウォンと予測されたものの、実際の負担金額は「5,550億ウォン」(約528億円)で済みました(詳細は本稿末記事参照)。
しかし、今回は19億ドル(約2,153億円)で約4倍です。
火事騒動の請求書は大変に高くついたといわざるを得ません。
(吉田ハンチング@dcp)