2021年11月12日、『韓国銀行』が「2021年10月輸出入物価指数」を公表しましたが、驚くべき結果です。
対前年比で輸入物価は「35.8%」も上がった!
以下をご覧ください。
輸出物価:前月比1.6%上昇
(対前年同期比:25.3%上昇)輸入物価:前月比4.8%上昇
(対前年同期比:35.8%上昇)⇒参照・引用元:『韓国銀行』「2021年10月輸出入物価指数」
輸出物価は「1.6%」しか上がっていないのに、輸入物価は「4.8%」も上昇しています。対前年同期比では、輸入物価はなんと「35.8%」も上昇したというのです。
Money1ではしつこくご紹介していますが、ここのところ韓国では、輸出金額の伸びよりも輸入金額の伸びが大きく、そのため貿易のもうけ(貿易収支:輸出 – 輸入)が減少しています。
これには原油などの資源価格の高騰が大きく影響しているのですが、今回のデータはそれを如実に表しています。
韓国はそもそも、原材料や中間財を輸入して、加工、組み立てを行って製品を輸出する国です。資源価格、中間材の価格が高騰してもすぐに製品価格には転嫁できません。その分もうけが減っていくのです。
資源価格の高騰が大きなダメージ
以下をご覧ください。輸入において何がどのくらい上がっているのかの『韓国銀行』のデータです。
原材料:前月比10.1%上昇
(鉱産品を中心に上昇)中間財:前月比3.3%上昇
(石炭および石油製品、第1次金属製品など)資本財:前月比0.3%上昇
消費財:前月比0.8%上昇※データ引用元は同上
やはり原油、石炭など鉱物資源の上昇が非常に大きな影響を与えているようです。原材料の物価上昇は10.1%もあります。
ウォン安が進行中なので余計まずい
しかもウォン安が進行しています。この『韓国銀行』の資料によれば、
ドルウォン平均レート
09月:1ドル=1,169.54ウォン
10月:1ドル=1,182.82ウォン前月比:1.1%上昇
対前年同期比:3.3%上昇※データ引用元は同上
となっています。同じ1ドルのものを輸入するのでも、1,169ウォンで済むのと1,182ウォンかかるのでは違います。輸入するのには不利な状況が進行しています。
輸入物価の上昇によって貿易のもうけが減るという、韓国にとって困った状況はまだ続きそうです。ウォン安傾向も恐らくしばらくは変わらないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)