韓国では不動産価格が急騰し、それに連動して家計負債も急増してきました。不動産を購入するときに融資を受けるからです。
支持率が下がるので、文在寅政権は不動産価格を抑えようと躍起になって数々の政策を打ち出しましたがいずれも奏功せず。
文政権の最大の失政は不動産政策と認識されているほどです。
しかし、2021年に韓国金融当局が家計負債の増加に歯止めをかけるため、融資を絞る方向で動きました。2022年もこれは継続されます。
さて、2022年は不動産価格は上がるでしょうか?――が注目されています。
2022年の不動産価格は上がる? 下がる?
韓国メディア『ChosunBiz』が非常に興味深いコラム記事を上げています。2022年の経済動向を預言する――という一連のコラムで、その②と③が「不動産価格は上昇するか?」をテーマとしています。
②の記事では、『インベイド投資顧問事務所』のイ・サンウ代表にインタビュー。
イ代表は「2022年にも住宅価格は10%ほど上がると見ています。ソウルマンションの平均価格が今12億7,000万ウォンぐらいなので、14億になるということです」と答えています。
シリーズの③の記事では、『ソウル大学環境大学院』のキム・ギョンミン教授にインタビューしているのですが、キム教授はイ代表とは真逆の「今年、ソウルの住宅価格は10~20%落ちるでしょう」と答えています。
⇒参照・引用元:『ChosunBiz』「[2022 부스트라다무스]② 이상우 “올해 집값 10% 오를 것. 서울 아파트 14억 된다”」
⇒参照・引用元:『ChosunBiz』「[2022 부스트라다무스]③ ‘하버드 박사’ 김경민 “변곡점 이미 지났다… 집값 10~20% 꺾일 것”」
不動産価格が上がる根拠は? 下がる根拠は?
お二人の専門家の意見が真逆というのは面白いですが、それぞれの根拠はなんでしょうか? 詳細については上記のリンクから記事を確認していただきたいのですが、要約すると以下のようになります。
「10%上がる」と見る根拠
①需給ギャップ
韓国の人口は5,000万人を超えているのに住宅数は地方の空き家まで数えても2,000万世帯分にも満たない。②供給量が少ないまま
住宅の供給量が少ないままである。未分譲世帯数は2,000万で維持されている。③物価高の進行
韓国の人口構造は年齢が下になるほど数が少ない。つまり、労働人口が少ないということで、これは人件費が上がって、それに釣られて物価も上がるしかない構造になっている。不動産は物価の影響を受ける資産であるため上がる。※引用元は上掲リンク
一方のキム教授は以下のように根拠を述べていらっしゃいます。
「10~20%下落する」と見る根拠
金利が上がって流動性バブルが終わるから※引用元は上掲リンク
また、キム教授は「江南(高級住宅街:筆者注)では、すでに昨年の10月に変曲点を過ぎて上昇傾向が破られました。ソウルは昨年11月、変曲点を過ぎて家の値段が折れた。今後2~3年はより多くの場所に下落が広がるでしょう」と指摘していらっしゃいます。
韓国の不動産価格がどうなるのかは非常に注目ポイントです。
先にMoney1でもご紹介したとおり、仮にバブルが弾けて調整局面に突入した場合、『韓国銀行』のシミュレーションでも経済に大きな負の影響を与えることが予見されています。キム教授のおっしゃるとおり「10%以上も下落」するなら阿鼻叫喚の大ごとになるでしょう。
専門家お二人の予測は果たしてどちらが当たるでしょうか。ぜひご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)