これをご紹介しないとフェアではないので取り上げます。世界的な格付け会社『Fitch(フィッチ)』が韓国の格付けを「AA-」で「Stable(安定的)」と据え置きました。
以下が『フィッチ』の出したプレスリリースです。
⇒参照・引用元:『Fitch』公式サイト「Fitch Affirms Korea at ‘AA-‘; Outlook Stable」
『フィッチ』は、2020年11月、韓国政府との協議で、
「GDP比国家負債比率が2023年に46%まで増加する場合、中期的な国家信用格付けに下方圧力として作用する」
と述べたと報じられました。つまり、政府債務が2023年までに対GDP比で46%を超えたら信用格付けを下げる――という警告と見られていましたし、Money1でもそのようにご紹介してきました。
韓国政府自身の述べる政府負債は「2021年:965.9兆ウォン」、「対GDP比率」は「48.2%」です(しかもこれは「D1」基準)。
「2023年に46%」どころではなく、「2021年:48.2%」ですから、報じられた『フィッチ』の条件を2年早く破ったことになります。
しかし、『フィッチ』は韓国の信用格付けを落としませんでした。理由は分かりません。
『フィッチ』は日和ったのでしょうか?
ただし、安定的としながらも、『フィッチ』は韓国の格付けについて以下のようにも指摘しています。
負の格付けアクション/ダウングレードにつながる可能性のある要因:
–財政:例えば、財政赤字の持続的な増加または偶発債務の具体化の結果として、「政府負債対GDP比率」の大幅な増加。
–構造的:朝鮮半島の緊張は、朝鮮の経済指標または安全保障状況をひどく悪化させるのに十分である。
「政府負債対GDP比率」の大幅な増加――はまさに現在進行形で起こっていることです。
『フィッチ』はいつまで見過ごすでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)