2022年09月19日、『OECD』(Organisation for Economic Co-operation and Developmentの略:経済協力開発機構)が「Economic Survey of Korea (September 2022)」(韓国経済調査2022年09月)を公表しました。
韓国政府の対GDP負債比率が……
今回の『OECD』の調査で最も注目すべきポイントは、韓国経済の政府負債の対GDP比率が2060年に「150%」に上昇するという点です。2021年には「46.4%」でしたので、(いくら39年間あるとはいえ)異常な上昇といえます。
なぜここまで政府負債が増加するのかというと、急速に老いていくからです。合計特殊出生率※が「0.81」にまで落ちており、これがさらに下がるのは確定した未来です。
超高齢社会に突入、加速しますから医療費・老齢年金支出が増え、人口減少によって健康保険・老齢年金の保険料を支払う人が減ります。つまり、健康保険・老齢年金の基金は政府支出がなければもたせることができません。
年金受給開始年齢を68歳にすれば……
ただし、『OECD』は老齢年金の受給開始年齢を68歳に上げ、寿命が伸びた分を都度、2/3分の歳だけ伸ばしていけば、2060年でも政府負債の対GDP比率を60%台にとどめることができる――と試算しています。
しかしながら、このように老齢年金の受給開始年齢が次々と後ろにずれていくようなシステムが国民に許容されるのかは疑問です。特に若い世代から「私はいつ年金をもらえるのか」「本当に年金をもらえるのか」と疑問の声が上がるのではないでしょうか。
試算はそうでも、実行可能かどうかはまた別問題です。
韓国は日本などより急速に老いていきますので、年金システムをどのように改革するのかはまさに喫緊の問題なのです。特に前文政権が何もせずに次期政権の丸投げしましたので、5年間という時間が無駄になりました。失った時間は取り返しがつきません。
焦眉の急であるのに、韓国政府はまだ改革プランを出していません。主な責任は文政権が無能だったことに求められますが、無責任のそしりは免れないでしょう。
※合計特殊出生率は「女性一人が15歳から49歳までに出産する子供の数の平均」です。この数字が2.2ないと人口は増えないといわれます。
(吉田ハンチング@dcp)