事実上の破綻で法定管理下に入った韓国『双竜自動車』ですが、売却先の優先候補に電気バスメーカー『エジソン・モータース』を中心とするコンソーシアムが選ばれました。
『エジソン・モータース』コンソーシアムは買収金額とした3,000億ウォン（約288億円）未満を提示したとされています。しかし、先にご紹介したおとり、『双竜自動車』は公的債務が約7,000億ウォン（約672億円）あります。
これは、未払いの税金、『双竜自動車』従業員への給与未払分などで、買収者がすぐに払わなければならないものです。
全然足りません。
また、『エジソン・モータース』の2020年の売上は897億ウォン（約86億円）しかなく、とても足らない分を賄える企業規模ではありません。
資金は有償増資と融資でまかなう！
どうするのか注目されていたのですが、資金繰りの計画についての情報が出ました。
買収後の有償増資：4,900～5,300億ウォン
資産担保融資など：7,000～8,000億ウォン
小計：1兆4,600億～1兆6,400億ウォン
（約1,402～1,574億円）
有償増資を買収前と後で行い、さらに資産を担保にして融資を受け総額1兆6,400億ウォンを突っ込む予定です。
何度もご紹介していますが、有償増資は新規株式を発行して資本を増強することです。
問題はこのとおりうまく運ぶか、です。
必要資金の半分は『産業銀行』からの借金でまかないたい
この資金繰りを発表した記者会見で、『エジソン・モータース』のカン・ヨングン代表は、債権団の主力となっている『産業銀行』の融資を期待する以下のような発言を行っています。
（前略）
「李東杰（イ・ドンゴル）『産業銀行』頭取は『双竜自動車』が存続できる事業計画を持つ健全なマインドを持った会社が買収すれば、あらゆる場所で協力する機会を見つけよう、としていなかったか。その本気を信じている」「資産を担保に融資してほしいということ」
（後略）⇒参照・引用元：『NEWS1』「エジソン・モータース『双竜自動車』買収資金は最大1兆6,000億…『産業銀行』で半分融資を期待」
必要な資金が最大で「1兆6,400億ウォン」かかると見ていますが、その約半分は『産業銀行』からの融資でまかないたいわけです。
さて『産業銀行』が要請どおりに融資を行うのか、です。
これについては、韓国メディアでは、『産業銀行』関係者が「買収に関連した協議を始める前に『エジソン・モータース』がメディアを通じて、『産業銀行』への支援の正当性、必要性を一方的に主張するのは不適切である」と述べた――としています。
明らかに不快感の表明です。
しかし、『双竜自動車』を飛ばしてしまうと従業員、その家族、関連会社など多くの人の生活に影響を与えます。最終的には『産業銀行』も融資するのではないでしょうか。
『産業銀行』から融資があっても『双竜自動車』が健全に立ち直るかどうかは分からないのですけれども。
(吉田ハンチング＠ｄｃｐ)
