「韓国製品への差別だ」に対してホワイトハウスは……

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カンボジアで開催されたASEAN首脳会議を契機にして、2022年11月13日、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領とアメリカ合衆国のバイデン大統領が首脳会談を行いました。

先にご紹介したとおり、尹-バイデン会談では、インフレ削減法(略称「IRA」)について話し合ったとして、韓国の外交部のリリースでは以下のように書いていました。

(前略)
尹大統領は、合衆国のインフレ削減法(Inflation Reduction Act、IRA)に関する協議チャネルが緊密に稼働しているとし、去る10月バイデン大統領の親書を通じてIRAに関連して合衆国側の真正な協議意志を確認したと評価しました。

バイデン大統領は、韓国企業が自動車、電気バッテリーなどの分野で合衆国経済に寄与することが大きいとし、この点を考慮してインフレ削減法の履行方案を議論しなければならないと述べた。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「米韓首脳会談」

韓国産の電気自動車は、合衆国のIRAによって補助金支給対象ではなくなってしまうので、販売台数が減少することが予測されています。

韓国自動車産業は弱体化を続けているので、世界第2位の自動車市場である合衆国を失うわけにはいきません。そのため、わざわざ尹大統領が前に出て交渉しているのです。

韓国は「ワシが討って出る」のボス交渉が大好きな国ですが、今回の会談もその現れと見ることができます。

では、今回の米韓首脳会談についてホワイトハウスはどのようなプレスリリースを出しているのでしょうか。以下が、2022年11月14日に出た「readout」(事前配布資料:ケッ)です。

ジョセフ・R・バイデン大統領は、本日カンボジアのプノンペンで韓国(ROK)の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領と会談した。

両首脳は、国境付近での軍事行動や大陸間弾道ミサイルの発射を含む、ここ数週間の朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の不安定化および威嚇行動を非難し、DPRKが非合法の大量破壊兵器および弾道ミサイル計画に出資し推進する能力を制限するための我々の共同努力について議論した。

バイデン大統領は会談で、核、通常兵器、ミサイル防衛能力を含む合衆国のあらゆる防衛能力を用いた合衆国の韓国に対する拡大抑止の約束を再確認し、北朝鮮の核の脅威に直面して抑止力をさらに強化するための追加措置を確認する合衆国の約束を強調した。

バイデン大統領と尹大統領はまた、ウクライナに人道支援を提供し、隣国に対するいわれのない残忍な戦争についてロシアの責任を追及する米韓の取り組みについて協議した。

バイデン大統領は、尹大統領による韓国の新たなインド太平洋戦略の発表を歓迎し、両首脳は、ASEANのパートナーや太平洋諸島諸国を含む地域全体の協力を強化することの重要性について議論した。

バイデン大統領は、インフレ削減法によって促進されたグリーン技術への歴史的な投資を通じて、気候危機と戦うための合衆国の野心的なアジェンダを示し、両者は共通の気候目標を達成するために米国と韓国の企業が果たす重要な役割について議論した。

⇒参照・引用元:『アメリカ合衆国 White House』公式サイト「Readout of President Joe Biden’s Meeting with President Yoon Suk Yeol of the Republic of Korea」

このホワイトハウスのリリースによると、バイデン大統領はインフレ削減法を「グリーン技術への歴史的な投資を通じて、気候危機と戦うための合衆国の野心的なアジェンダ」と紹介し、「共通の気候目標を達成するために合衆国と韓国の企業が果たす重要な役割について議論した」ことになっています。

韓国の主張は、「韓国産の電気自動車に補助金がでなくなるような韓国差別はやめろなのですが、合衆国の主張は(当然ですが)そんな認識は一切ないということを示しています。

韓国メディアでは本当に「韓国差別」と書いています。

前記のとおり、韓国の外交部によると合衆国側は「インフレ削減法の履行方案を議論しなければならない」としたことになっているのですが、本当にそんなことを言ったのでしょうか。

また、議論するにしても、大統領がサインした法律について今からひっくり返すことはできません。修正を加えるにしても、最近通過したばかりの、しかもバイデン大統領肝いりの法について、もう修正するのか?という話です。

一応、ホワイトハウスから出たリリースに「IRA」が取り上げられたのは、韓国にとっては朗報かもしれませんが、合衆国が本当に修正などを考えてくれるのかは、怪しいと考えざるを得ません。

(吉田ハンチング@dcp)

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