2019年09月20日、韓国の統計庁(National Statistical Office)は「第10回 景気総合指数改編の結果と最近の景気循環について」※という資料を公表しました。この資料を基にした記事が韓国メディアに公開され、その日本語版の記事もあるため「ほら見ろ、文政権は現状を偽ってきたが、景気は悪くなっているじゃないか」と言い立てられています。
その記事に引用されているチャート (『朝鮮日報(chosun Online)』より引用:以下URL参照)が以下のようなものですが、これを見て「縦軸は何なん?」と思いませんでしょうか。
⇒引用元:『朝鮮日報(chosun Online)』「文在寅政権発足直後の2017年9月が景気の山」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/09/21/2019092180013.html
文政権がウソを言ってきたかどうかはともかく、縦軸が分からないとチャートがどうやって景気の山や谷を判断しているのか分かりませんね。
メディアの記事ではスルーされていますが、縦軸は統計局が算出している「景気総合指数」(경기종합지수)です。統計局の資料は、この指数(先行景気総合指数)の算出方法を改編しましたという報告※でもあります(ただしチャートの基になる各年月の景気総合指数の具体的数値はなし)。
記事の基になった統計局資料掲載のチャートは以下になります(『韓国統計庁』公式サイトのプレスリリース)。
⇒引用元:『韓国統計庁』「제10차 경기종합지수 개편 결과 및 최근의 기준순환일 설정」(韓国語)
http://kostat.go.kr/assist/synap/preview/skin/doc.html?fn=synapview377597_3&rs=/assist/synap/preview#
※改編によって景気の先行きを予測する精度が向上したことや、景気総合指数(先行・同行・遅行)の構成要素についての説明があります。詳細は上記のURLから公式資料を参照してください。
韓国経済はすでに下り坂を24カ月走っている
韓国統計局の定義によれば、韓国経済の景気のサイクルは1972年03月以降、これまでに11あることになります。それぞれの景気サイクルは、景気総合指数(同行循環変動値)の「底点から頂点を経て再び底点まで」としています。
韓国統計局が定義するところの直近の「第11景気循環期」は、2013年03月を底点にして54カ月景気拡大を続け、2年前の2017年09月を頂点として以降は下り坂、ということになります。
つまり2019年09月現在、すでに下り坂を24カ月走っているというわけです。まだ次の底点がどこかは分かりません。
日韓対立の結果がリアルとして現れるのはこれからです。まだかなり下に走らないと底には着かないのではないでしょうか。
⇒参照:『Money1』「南朝鮮の経済崩壊『11年周期説』 2019年にきっとクル!?」
https://money1.jp/?p=9538
⇒参照:『Money1』「南朝鮮は『頭の悪い働き者』のおかげで沈没する」
https://money1.jp/?p=7287
(柏ケミカル@dcp)