効いてる、効いてるということなのでしょうが、中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』にエラい社説が掲載されています。
以下に記事の一部を引用します。
(前略)
オバマ政権が『WTO』の上訴機構を麻痺させたことに始まり、トランプ政権が『WTO』のルールを無視して貿易戦争を仕掛け、バイデン政権が “『WTO』尊重 “を旗印にルールを破ったのである。『WTO』を含む国際機関に対する合衆国政府の一貫した態度は、「機能すれば使い、機能しなければ捨てる」というものだ。
今年、ワシントンが公布したインフレ抑制法は、自国の利益のために道徳やルールを無視する合衆国の偽善的な性格を再び示した。
最近、合衆国は「気候変動への対応」を口実に、中国の鉄鋼とアルミニウムに新たな関税を課すことを計画した。
しかし、それが「国家安全保障」であれ「気候変動」であれ、国際社会は、自国の利益のためにレトリックを捏造する合衆国の手口を十分に見抜いているのである。
(後略)⇒参照・引用元:『Global Times』「The US can no longer be allowed to go rogue at the WTO: Global Times editorial」
合衆国の態度も褒められたものではないかもしれませんが、中国が合衆国を非難するというのが傑作です。
『WTO』について中国が非難を行っているのは、半導体において中国が締め上げられているのが不満で、これを『WTO』に提訴したのですが、提訴は何の役にも立たないのを理解しているためでしょう。
同記事の結びは以下のようになっています。
我々は、全ての『WTO』加盟国が立ち上がり、国際ルールを無視したワシントンの一国主義的アプローチに共同で反対し、非難し、抵抗することを求める。
これは、グローバルシステムの安定、また国際道徳の問題である。
合衆国が『WTO』でならず者として振る舞うことはもはや許されず、ワシントンの覇権主義や保護主義も容認されるべきではない。
⇒参照・引用元:『Global Times』「The US can no longer be allowed to go rogue at the WTO: Global Times editorial」
中国の非難に呼応して全ての『WTO』加盟国は立ち上がるべき――だそうです。
『WTO』に加盟するときの約束は一切守っていない国がよくこんなことが言えたものだと呆れる他はありません。こういう発言は約束を守ってきた実績がある国が行うべきです。
「おま言う」とはこういうときに使う言葉でしょう。
(柏ケミカル@dcp)