2023年04月27日、韓国『サムスン電子』の2023年第1四半期の業績(暫定版)が出ました。先にご紹介した速報値「営業利益:6,000億ウォン」から少し上方修正されました。
2023年第1四半期
総売上:63兆7,454億ウォン(-18.05%)
営業利益:6,402億ウォン(-95.47%)
当期純利益:1兆5,746億ウォン(-86.10%)※( )内は対前年同期比の増減
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先の速報値よりも「約400億ウォン」ほど営業利益が増えました。それでも営業利益は、対前年同期比で「95.47%減少」です。
この営業利益の減少幅は速報値とほとんど同じなので驚くには当たりません。
驚くのは、速報では出ていなかった当期純利益です。当期純利益は「1兆5,746億ウォン」で、つまり営業外での利益を約1兆ウォン積んだことになります。
もっとも、それでも当期純利益は対前年同期比で「-86.10%」なのですが。
驚きは純利益よりも、こちらでしょう。速報段階では中身が分かりませんでしたが、事業部(部門)ごとの営業利益、特に半導体部隊がひどいことになっています。
2023年第1四半期 DS事業部(半導体)
総売上:13兆7,300億ウォン(-48.9%)
営業利益:-4兆5,800億ウォン(赤字転換)※( )内は対前年同期比の増減
総売上が「48.9%」も減少しました。
営業利益は、「2022年第1四半期:8兆4,500億ウォン」から「2023年第1四半期:-4兆5,800億ウォン」へと赤字転落。
営業利益が「13兆300億ウォン」も蒸発しました。
IT業界が不況で、メモリー半導体の需要が激減して価格が下落。在庫が通常の3倍積み上がる事態となり、またシステム半導体は消費低迷でスマートフォン、テレビの需要が落ちると同時に業績も悪化に転じました。
他の事業部は以下のようになっています。
MX(モバイル通信)事業:3兆9,400億ウォン
ディスプレー事業:7,800億ウォン
TV・家電事業:1,900億ウォン
半導体部門が落ち込んで窮地に陥った『サムスン電子』をなんとか黒字にしたのは、モバイル通信事業ということになりますが、どこまで救い続けられるかは分かりません。
一刻も早く半導体需要が回復してほしい――そんなところでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)