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『ムーディーズ』が韓国の経済成長率を下方修正。『韓国電力』は危ない

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2023年05月19日、韓国の企画財政部が、「世界的格付け会社『Moody’s(ムーディーズ)』が韓国を「Aa2」(安定的)と評価した」と公表しました。


↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット

1.『Moody’s』プレスリリースの主な内容

『Moody’s』は、今回の韓国の国家信用等級および展望(Aa2、安定的)の維持決定は、多様化し、競争力のある経済構造および効果的な政策対応、良好な対外健全性、強い財政健全化の意志などを反映した結果だと明らかにした。

まず、今年の韓国経済は半導体景気の減速、金融引き締め、不動産市場の調整などの影響で成長がやや鈍化するが、下半期以降、半導体景気が回復し、反発*すると見込んだ。

* (参考) 『Moody’s』は今年03月、韓国の成長率見通しを’23年1.6%、’24年2.0%と提示したが、今回の格付けレポートでは’23年1.5%に若干下方修正、’24年2.4%に上方修正した。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「国際信用評価会社ムーディーズ(Moody’s)、我が国の信用格付けを「Aa2、安定的」に維持」

信用格付けが落ちることを懸念する韓国政府は、毎年3大格付け企業『Moody’s(ムーディーズ)』『S&P』『Fitch(フィッチ)』と協議を行っています。

『Moody’s』の評価は「Aa2」(安定的)で据え置きとなりました。上掲の企画財政部が出したプレスリリースは、格付けが維持できてほっとしたという内容です。

ただし、『Moody’s』は2023年の韓国の経済成長率の予測を先の「1.6%」から「1.5%」に下方修正しています。

『Moody’s』の韓国経済に対する読みは以下のようになっています。

半導体景気の減速と金融引き締め、不動産市場の調整などの影響で成長がやや鈍化すると見られる

高齢化と労働市場の二重構造なども潜在成長率を低下させる要因

興味深いのは、最近の税収の減少(および財政の悪化)、『韓国電力公社』に対する言及もあることです。

昨年の税制改正による税収減少と高齢化による支出増加で財政負担が発生する可能性がある

エネルギーと建設部門の公企業の負債も高い。『韓国電力』の場合、社債発行限度額の拡大で調達余力が強化されたが、今後偶発債務による財政負担が大きくなる可能性もある

よく見ていらっしゃいますね、なのですが、韓国政府が『Moody’s』との協議で約束したことが守られるかどうかは不明です。

特に財政準則(政府負債について守らなければならないルール)です。先にご紹介したとおり、韓国政府は財政準則を法制化するとし、格付け会社もそれを推奨しました。

しかし、これはまだ実現されていません。

読者の皆さまもご存じのとおり、韓国政府は文在寅大統領の時代に政府負債を異常に増加させました。結果、現在の政府債務は1,000兆ウォンを超えています。

MMT的にいうなら「刷ればいいじゃん」なのですが、韓国の通貨主権がどこまで強いのかは誰にも判断できないので、「刷ればいいじゃん」とはいきません。何より、そんなことをすると格付け会社が韓国の格付けを下げて、資金流出が起こるかもしれないからです。

日本の財務省のように格付け会社の判断に正面から反論(高橋洋一先生の功績です)するようなこともできず、とりあえずは財政準則を法制化して守るという姿勢を見せるしかないのです。

しかし、できていません。『Moody’s』などから「守ってないじゃないか」とツッコミを受け、韓国の格付けが下げられるリスクはあります。今年は「格付け維持」で凌げたましたが、来年どうなるかです。

(吉田ハンチング@dcp)

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