中国の発表する公的な統計数値がアテにならないことは、欧米、また日本の識者の指摘するとおりです。GDPの拡大は今も継続されていますが、本当の姿が問題です。恐らく中国共産党指導部も自国の「本当の姿」を把握できていないのではないでしょうか。
中国ではインフラ整備についての公的資金投下が今も継続されており、その金額は莫大なものになっています。インフラ整備は確かに国家にとって重要なポイントですが、つまるところ、それが本当に必要なのか、また投下された資金がリクープするのかが問われます。
昨年、2016年中期の段階で、中国の公式発表による公的債務は「GDPの約50%:約4兆ドル」となっていました。しかし、欧米の専門家はこれを「過小」と見ています。「対GDP比200%超:約20兆ドル」ではないかと推測していました。
2017年にはこれが40兆ドルに、さらに2020年には50兆ドルに達するものと予測されるのです。これらの投下資本はそれが将来無駄になったとしても、「付加価値」を生んだとしてGDPを押し上げるものになります。ついでにいえば、南シナ海で不法に建設している無人島の基地化などの資金投下も、GDPを押し上げます。
特に危ないと指摘されているのは、不動産や鉄道建設です。不動産はバブルが崩壊すればその価値は吹き飛んでしまいますし、鉄道は敷設はしたももの利用されずに赤字になれば維持することができません。中国の高速鉄道建設は、現在のところ黒字路線が「上海-北京」しかないことが分かっており、実は大変に危うい状況です。
GDPの拡大を発表し、今ではアメリカに次ぐ世界第2位と誇る中国ですが足元はぐらぐらしていると見るべきなのです。
(柏ケミカル@dcp)