韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官が中国を訪問する予定ですので、中国側から韓国への圧迫が強まっています。「覚悟してこいよ」ということでしょう。
中国がアメリカ合衆国の提唱する半導体同盟を警戒しています。半導体同盟に韓国が入ることを嫌がっており、しきりに牽制しているのです。
中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』には「S.Korean, other chip firms shouldn’t fall for US tricks」(韓国や他の半導体企業は合衆国の策略に乗せられるべきではない)というタイトルの記事を出しています。
記事から一部を引用してみると以下のような具合です。
『ロイター通信』は、ホワイトハウスの報道として、ジョー・バイデン大統領が火曜日に韓国のコングロマリットSKグループの会長と「アメリカの製造業と雇用に対する同社の投資について」オンライン会談を行う予定であると報じました。
SKグループはサムスンに次ぐ韓国第2のコングロマリットで、関連会社には世界第2位のメモリーチップメーカー、『SKハイニックス』がある。
韓国政府が、中国を標的にするとの見方が強い米国主導のチップ同盟への参加に慎重な姿勢を示している今、今回の会談は、バイデン氏が個人的に大手企業を説得、あるいは圧力をかけようとしたものと見られる。
⇒参照・引用元:『Global Times』「GT Voice: S.Korean, other chip firms shouldn’t fall for US tricks」
韓国政府が半導体同盟に対して一線を引いているのは確かです。『SKハイニックス』は(よせばいいのに)中国・無錫に微細工程に転換したメモリーのファブを保有しています。これはもう逃げられません。実際、『SKグループ』は中国市場なしなどということは考えられない、としていますので、韓国政府も合衆国の求めにホイホイ応じるわけにはいかないのです。
例によって、『Global Times』は脅しも忘れていません。以下をご覧ください。
(前略)
確かに、合衆国はハイエンドのチップ技術を保有しているが、韓国全体のチップ輸出の6割を占める市場は中国である。だからこそ、韓国メディアは、政府がジレンマに陥っていると主張する。
近年の合衆国による締め付けは、かえって中国のチップ産業の発展を加速させた。これは中国の市場があるからこそのことだ。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙が月曜日に報じたところによれば、中国は2024年までの4年間に31の主要な半導体工場を建設する予定であるという。
もちろん、中国が自国のチップ産業の発展を加速させたからといって、他国との協力関係を拒否したことにはならない。
合衆国がサプライチェーンや産業チェーン全体から中国を切り離そうとすればするほど、中国は韓国や日本の業界関係者と産業チェーンの協力や調整を強化することが急務となる。
⇒参照・引用元:『Global Times』「GT Voice: S.Korean, other chip firms shouldn’t fall for US tricks」
「韓国の半導体輸出のうち6割は中国市場向けだぞ」といっています。「中国とケンカしてどうするんだ」といっているのです。
中国は現在のところ「韓国から輸出される半導体がいる」のです。
しかし、中国の半導体産業が育ったらどうなるか――です。韓国の半導体は買ってもらえなくなるのではないでしょうか。
この記事の最後の段落は「そんな心配は無用だよ」と甘い言葉をささやいているのです。なぜか日本も巻き込まれていますが、中国のような何をするのか分からない国のいうことは信じてはいけません。
(吉田ハンチング@dcp)