2025年05月29日、『韓国銀行』が「経済展望(2025年05月)」を公表しました。
大統領選挙直前ですが、この結果は韓国に衝撃を与えています。以下をご覧ください。
題目:『経済展望 Indigo Book』(2025年5月)
□ 今年の成長率見通し、1.5%(2月) → 0.8%へ大幅下方修正
内需回復が遅れたうえ、米国関税の影響で輸出の鈍化幅が拡大する見通し今後の成長経路は貿易交渉に関連して上方および下方、双方のリスクが存在し、景気浮揚策の有無とその強度にも大きく影響を受けると予想。
□ 今年の消費者物価上昇率、1.9%で安定的推移を続ける見通し
加工食品およびサービス価格の上昇などの上方圧力は、国際原油価格の下落、低い需要圧力などに相殺される今後の物価経路は、国内外の景気動向、為替および国際原油価格の動き、政府の物価安定対策などに影響を受けると予想
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「経済展望(2025年05月)」
2025年02月に『韓国銀行』は「2025年のGDP成長率:1.5%」としていたのですが、05月の経済展望ではこれを「0.8%」まで下げたのです。
これは衝撃の推定です。
韓国のGDP成長率が0%台に下がったのは(アジア通貨危機でデフォルト騒動を起こした)1998年、韓国通貨危機時の2008年、コロナ禍の影響を受けた2021年だけでした。
『韓国銀行』が説明するとおり、成長率が大幅減速しているのは、消費不振、建設景気低迷が主な要因として挙げられます。韓国はどん底景気続いていますが、Money1でもご紹介してきたとおり、建設業の大不振が影響を及ぼしているのです。
極度の内需低迷が起こっているという点が、これまでの危機時とは異なっています。
ここにアメリカ合衆国による「高関税」が襲来したのです。韓国は輸出で食べている国ですので、景気不振がさらに深くなるのは当然のことです。
今回の発表でもうひとつ気になるのは、CPIを「1.9%」と低く見積もっていることです。もしかしてデフレ傾向が強まるのではないのか――です。
さすがの李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁も「読めない」というのが本心でしょう。
傑作なのは、ボロボロになってきたこの経済状況を李在明(イ・ジェミョン)大統領が背負わないといけないことです。さあどうするのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)