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台風で韓国『ポスコ』が全面操業停止!造船・自動車がピンチ

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2022年09月06日、朝鮮半島南部に台風11号が上陸。韓国に甚大な被害を与えました。

韓国を代表する鉄鋼メーカー『POSCO(ポスコ)』の浦項製鉄所で火災が発生しました。工場施設の多くが浸水、変電設備も被害を受けたので電気も来ない状況となりました。3基ある高炉自体は大丈夫だったものの、被害は大きく操業が全面的に停止しています。

高炉が全部止まったのは49年ぶりのことです。

2022年09月08日、『ポスコ』は以下のようなプレスリリースを出しました。

製鉄所変電所の正常化は今朝完了予定…10日までの電力復旧完了を目標に

製鉄所も連休中に操業再開予定

製鉄所の環境整備は秋夕の連休期間内に全て完了予定

ポスコの台風被害復旧作業が加速させています。ポスコは、現在休止中の浦項製鉄所の高炉3基を10日から順次稼働させる予定です。
(後略)

⇒参照・引用元:『POSCO』公式サイト「POSCO to promote normal operation of blast furnaces at Pohang Works around September 10」

上掲のとおり、10日から順次高炉を復旧するとしています。

2022年の秋夕のお休みは09月09日から12日までですが、『ポスコ』は休み返上で正常化に取り組む模様です。

「鉄は国家なり」という言葉がありますが、『ポスコ』で鉄鋼生産が止まってしまうと、鉄を使用して物をつくる造船、自動車などの産業が大きな影響を受けます。

例えば、韓国造船Top3の1社である『現代重工業』は2022年上半期に鋼材を「6,413億ウォン」も購入しています。Money1でもよくご紹介している『大宇造船海洋』は「1兆8,233億ウォン」も購入しているのです。

造船では厚さ6mm以上の鋼板が必要で、国内では『ポスコ』産に多くを依存しているため、『ポスコ』の操業難が続くと大変困ったことになります。せっかくまた受注ジャックポットと騒いでいるのに、鋼板価格の上昇による赤字化、納品の遅れが発生するかもしれません。

自動車産業も似たようなもので、韓国内では『現代重工業』と『起亜自動車』の国内工場は1兆4,450億ウォンの資材購入(鋼板・塗料)をしています。

もっとも、両社の主要取引先は『現代製鉄』『KCC』なのですが、『ポスコ』の供給量が少なくなると鋼板価格が上昇する可能性があり、こちらも油断できないのです。

何より、『ポスコ』は韓国の主力輸出産業である「鉄鋼」の屋台骨を担う会社です。操業停止が長引くと輸出金額に影響します。

『ポスコ』が無事に生産設備を復旧できるかどうかにご注目ください。

(吉田ハンチング@dcp)

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