韓国の経団連ともいえる『全国経済人連合会』(略称『全経連』)。
Money1では、以前『全経連』の許昌秀(ホ・チャンス)会長が、
「長期的にアメリカ、EU、日本などの主要基軸通貨国(原文ママ)と無期限・無制限の通貨スワップを締結する必要があり、そのために金融と通貨の競争力を強化しなければならない」
と述べた件についてご紹介しました(記事は以下)。
韓国の通貨「ウォン」は自国でしか使えないローカルカレンシーですので、ハードカレンシーを持つ国と「通貨スワップ(協定)」を締結することはかなりの無理スジなのですが、『全経連』は諦めないようです。
2020年05月12日、「ミハエル・ライテラー在韓EU大使招請企業の朝食懇談会」を開催し、EU大使に対して、ポストコロナ時代の「韓-EU経済協力強化」のために以下の3つの提案をした、とのこと。
①企業出入国制限の緩和
②欧州現地に進出した韓国企業の支援
③韓-EU通貨スワップ
上掲のとおり、三番目とはいえ例のアレが入っています。
『全経連』のプレスリリースには以下のようにあります。
この席で副会長は「コロナ危機にあって今すぐウォン-ユーロ通貨スワップ締結を積極的に検討すべき時期」と、ミハエル大使にこれをEU執行委員会に積極的に提案してくれることを要請した。
特に、「世界2大基軸通貨(原文ママ)であるユーロとの通貨スワップが、韓-EU二大経済圏と進出した企業の両方に必要な金融セーフティーネットであり、双方にとって象徴的な経済協力のデバイス」と付け加えた。
⇒参照・引用元:『全国経済人連合会』公式サイト「全経連在EU大使招請企業朝食懇談会」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
EUは巨大経済圏ですが、韓国がそうかというと……違うのではないでしょうか。またEUにとって「通貨スワップ(協定)」が金融セーフティーネットになるかどうかも疑問です。
さらに、韓国にとっては「今すぐ結ぶべき」なのかもしれませんが、EUにとっては「全く益にならないので要らない」でしょう。
案の定、同リリース内にライテラー大使が「通貨スワップ(協定)」について述べた下りはありません。さすがに「華麗にスルー」なのでしょう。
(柏ケミカル@dcp)