先にご紹介しましたが、韓国『SKグループ』の会長はなかなかゴリンガンな方で、中国市場を手放すものかという姿勢です。同グループは半導体企業『SKハイニックス』を傘下に持ち、『サムスン電子』と共に韓国の半導体産業の屋台骨を支えています。
アメリカ合衆国と中国の半導体戦争が激化する中、『SKハイニックス』は大きな岐路に立たされています。Money1でも先にご紹介したとおり、中国・無錫にある『SKハイニックス』の半導体ファウンドリーはもはや逃げることはできません。(よせばいいのに)『Intel(インテル)』から購入した工場もあります。
オランダの『ASML』また、日本の有力企業は、もはや中国に最先端の半導体製造装置を供給できません。日本の輸出管理強化は07月23日に施行されます。
『SKハイニックス』の中国にあるファウンドリーは維持できるかどうかも怪しいのです。
「どうするのかね」という状況ですが、2023年07月12日、『SKグループ』の総帥である崔泰源(チェ・テウォン)会長が「大韓商工会議所済州フォーラム」の記者会見において、非常に興味深い発言を行いました。
米中対立に挟まれた韓国企業の対応について記者から聞かれた、崔会長の回答を拾ってみます。
「中国という大きな市場を諦める? 私たちには回復力がありません」
「最大の貿易パートナーである中国市場を全て失ったら、代替市場を突然見つけるのは難しい」
「主導権を一度失えば取り戻すことはできない。官民がワンチームで対応しなければならない産業がある」
中国という大きな市場を失ったら回復できず「おしまい」なので、官民合同で乗り切ろうと発言しています。自由主義陣営国としてそんなことが可能かどうかは疑問です。また、政府がどこまでアテになるのかも問題です。
『SKグループ』は中国での売上比率が30%台になるといわれています。失うには惜しいがさりとり食えもせず――という「鶏肋」状態になりはしないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)