Money1でもご紹介しましたが、2023年09月28日、台湾初の国産潜水艦「海鯤(kaikun)」の進水式が高雄造船所で行われました。
この潜水艦について、『Reuters(ロイター)』が興味深い記事を出しています。
2022年02月17日、韓国の海洋技術企業『SIイノテック』という会社のパク・マルシク常務取締役が通商法違反で起訴されました(02月28日には逃亡・証拠隠滅の恐れがあるとして逮捕されています)。
同社は、台湾の潜水艦に関して製造装置を提供する契約を交わしていたのですが、これが通商法違反に当たるというのです。
『Reuters(ロイター)』が報じているのは、この起訴および逮捕の理由について「韓国政府が中国による経済報復を恐れたため」という点です。
読者の皆さまもご存じのとおり、韓国はTHAADの配置を巡って中国から嫌がらせを受け、「三不一限の誓い」を受け入れました。「キャン!」と鳴いたわけです。
①アメリカのミサイル防衛に参加しない
②日・米・韓の安保協力を軍事同盟化しない
③THAADの追加配備をしない
一限
THAADの運用を制限する
『SIイノテック』は、2022年08月に罰金刑を言い渡され、パク・マルシクさんには執行猶予付き有罪判決となりました。2022年11月には、台湾に製品を供給していたとする別の韓国企業2社も通商法違反で起訴され、最高経営責任者1人が産業スパイ容疑で起訴されました。
別の外信報道では、「韓国外務省が台湾との協力に『全面的に反対』し、韓国国防事業庁に不承認の意思を示した」という証言も出ています。
中国政府から実際に韓国政府に圧力があったのかどうかはウラが取れませんが、中国政府は2021年には、「(台湾の潜水艦建造計画に参入している国は)火遊びをしている」と警告を発していました。
中国政府からの圧力があったにせよ、なかったにせよ、韓国政府が中国の怒りと経済報復を恐れたのは確かなようです。
恐れるあまり、こともあろうに自国企業、および自国企業人を罰したのです。
しかもこれは尹錫悦(ユン・ソギョル)政権になってからです。韓国がいかに自由主義陣営国として頼りにならないかの証拠といえそうです。
もっとも、台湾の潜水艦は完成してしまったのですが。
(吉田ハンチング@dcp)