ウォン安が韓国の「GDPランキング」を墜落させる。

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韓国は国際比較で「第◯位」というのが大好きです。

読者の皆さまもご存じのとおり、2022年時点で韓国のGDP(ドル建て)は世界第13位に転落しました。これまで第10位が定位置だったのですが、2022年には3ランクも落ちたのです。

2005~2018年:10位
2019年:12位
2020年:10位
2021年:10位
2022年:13位

上掲のとおり、2005~2018年は第10位を維持できたのですが、2019年に第12位に落ち、2020・2021年は第10位に復帰。

しかし、2022年に3ランクダウンしました。

自称「G8」で、「G7は無理でもG10圏内だ」と主張していたのですが、それも無理ということになってしまいました。

以下は2022年時点でのGDP Top15の国です。

第1位 アメリカ合衆国……25兆4,627億ドル
第2位 中国……17兆8,760億ドル
第3位 日本……4兆2,256億ドル
第4位 ドイツ……4兆752億ドル
第5位 イギリス……3兆798億ドル
第6位 インド……3兆96億ドル
第7位 フランス……2兆7,791億ドル
第8位 カナダ……2兆1,436億ドル
第9位 ロシア……2兆503億ドル
第10位 イタリア……2兆105億ドル
第11位 ブラジル……1兆8,747億ドル
第12位 オーストラリア……1兆7,023億ドル
第13位 韓国……1兆6,733億ドル
第14位 スペイン……1兆5,207億ドル
第15位 メキシコ……1兆4,597億ドル

では、2022年韓国はすっかり駄目になったのか? 違うのです。これはウォン安の影響が大なのです。

政府負債の対GDP比、家計負債の対GDP比など、GDPと比較した数字は韓国メディアにもよく登場しますが、では韓国のGDPがいくらなのか?を正確に把握しているでしょうか。

実は、韓国のGDPは以下のように推移しています。ウォン建てと、その金額をドル建てに換算した際の数字を両方見てみましょう。

GDP(億ウォン) GDP(億ドル)
2013年 1,500兆8,191億ウォン 1兆3,706億ドル
2014年 1,562兆9,289億ウォン 1兆4,840億ドル
2015年 1,658兆204億ウォン 1兆4,653億ドル
2016年 1,740兆7,796億ウォン 1兆5,000億ドル
2017年 1,835兆6,982億ウォン 1兆6,233億ドル
2018年 1,898兆1,926億ウォン 1兆7,252億ドル
2019年 1,924兆4,981億ウォン 1兆6,510億ドル
2020年 1,940兆7,262億ウォン 1兆6,446億ドル
2021年 2,080兆1,985億ウォン 1兆8,177億ドル
2022年 2,161兆7,739億ウォン 1兆6,733億ドル

⇒データ引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「月刊財政動向 10月号」

上掲の表組みでは分かりにくいかもしれませんので、グラフにしてみます。

以下をご覧ください。


↑青の線がウォン建てのGDP(左軸)、オレンジの線がドル建てにしたときのGDP金額(右軸)。

一目瞭然ですが、ウォン建てのGDPは右肩上がりで成長続けています。ところが、直近の2022年が最も顕著ですが、これをドル建てにするとガクッと落ちています。

何が起こったのかというと「ウォン安」です。ウォン安が進んだために、ドル建てにした際のGDPが大きく下落っしたのです。

このために韓国は第13位に転落したのです。

韓国のSNSなどで「GDPのランキングが転落した」ことについて、「大統領が代わったとたんにコレだ」といった声がありますが、韓国の大統領はドルウォンのレートを自在にコントロールなどできません。

(柏ケミカル@dcp)

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