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韓国「それは被害者ではない」10兆が吹き飛ぶ予定

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「ELS」(Equity-Linked Securityの略:株価連携証券)という金融派生商品は、一時「国民的財テク商品」と呼ばれ、韓国の皆さんに大人気でした。

2019年には100兆ウォンも購入されていたほどです。

デリバティブ商品について詳しい方であれば、ノックイン/ノックアウトオプションを使ったものといえば想像がつくでしょう。基準資産と連携して上下し、定められた閾値(一般的には6カ月ごと/購入した値から何%上下したかで判定)を超えると利払いが行われ、元本も返ってきます――が、満期になっても閾値を超えないと元本もすっかりなくす――というものです。

簡単にいえばハイ&ローゲームみたいなもので、非常にリスキーな金融商品です。そのため、このようなデリバティブ商品は、よほど勝つ見込みがないとき以外は(普通)使いません。逆にいえば、本当に勝つ見込みがあるのなら、一発勝負で使える商品です。

韓国の皆さんがELSが国民的財テク商品となるほどお金を突っ込んだのは、市場トレンドが良かったことに尽きます。うまくいけば利払いが6カ月で得られ、戻ってきた元本をまた投入できるので投資機会も多かったのです。

ところが、市場が反目になると、とたんに元本をなくす危険にさらされます。

韓国で現在問題になっているのは、中国ハンセン市場の指数を基準資産にしたELSです。

戻らないハンセン市場!

世界が反中国に向かっている中で、どうして中国株式が上がるなどと信じられるのか、正気を疑うところですが、ともあれ韓国の皆さんは基準資産が「ハンセン指数」に連携したELSに巨額を投入していることが判明しています。

先にMoney1でもご紹介したとおり、2024年上半期に満期を迎えるCEIを基準資産とするELSは、

第1四半期:3兆9,000億ウォン
第2四半期:6兆3,000億ウォン
小計:10兆2,000億ウォン

と推計されているのです。

上掲の説明どおり、これは元も子もなくす金融商品です。

ELSは36カ月(3年)満期が多いので、2021年01月からの「CEI」(Hang Seng China Enterprise index)の直近推移を見ると以下のようになります(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。

上掲は、ローソク足1本が1カ月の値動きを示す「月足」ですが、2021年01月の終値から直近2024年01月05日の終値までで「50.0%」下落しています。

中国政府は「世界第2位の経済大国にふさわしい株価となるだろう」などと言いましたけれども、全くそのような兆しは見られません。「言うだけ番長」とはまさにこのこと(大賢人エミン・ユルマズさんによれば「言うだけ番長」という言葉は海外でも通用するそうです)。

海外投資家は中国市場からお金を抜く方向ですし、中国の皆さんも「習近平が何を言い出すかに左右される株式市場に投資する気などこれっぽっちもない」でしょうから、上がるわけはないのです。

この値のままいけば、約10.2兆ウォンは間違いなく蒸発します。

それは被害者なのか?

ところが、韓国では「このままでは損失必至」という人たちが「被害者」と称して抗議活動を行っています。

例えば下掲をご覧ください。

『ヘラルド経済』の『聯合ニュース』写真を引いた記事ですが、「ソウル汝矣島金融監督院の前で香港指数ELS被害者が集会を開いている」というキャプションを入れています。

資本主義の世界では投資の損失は自己責任です。ルールに従ってお金を突っ込み、ルールに従って利益・損失が出ます。損失が出ても「被害者」などではありません。「これからハンセン市場が上がるぞ」と愚かな考えで投資した自分の責任です。

さらに愚かしいのは、韓国政府が「被害者と称する人」の救済に乗り出す可能性があることです。

2024年01月07日、金融監督院は「08日から香港H指数連携ELS主要販売会社12カ所について順次現場検査を実施する」と明らかにしました。

韓国政府が狙っているのは、

「元も子もなく金融商品だという説明が十分ではなかった。販売側の説明不足に責任がある。損失は販売者が補填せよ」

というシナリオだと思われます。検査してどうするつもりか、実際のところは不明ですが、もし元本を保証するようなことが行われたら、韓国はもはや資本主義国ではありません。

投資のルールなどない国――と見なさないといけません。政治情勢によって元本保証を行う国です。

(吉田ハンチング@dcp)

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