韓国メディアは、普段は自画自賛の記事が多いのに、ときに非常に自国を卑下する記事を出します。これが韓国メディアの面白い点です。
このような嘆き節の記事は、けっこう深刻な内容のことが多いです。
『ヘラルド経済』が面白い記事を出しています。韓国株式市場で株価が上がらないなあ――という内容ですが、これも一種の嘆き節になるでしょう。
同紙が行ったのは、2014年02月06日~2024年02月06日、つまり直近10年間で、各国を代表する株価指数がどのくらい上昇したのか、その上場率を比較してみた……というもの。
こういうときは『Bloomberg』のチャートが一番きれいに見えますが、例えば韓国のKOSPIを『Investing.com』のチャートで見ると以下のようになります。
↑直近10年間の終値を比較すると。破線と破線の間が上昇した部分。35.03%しか上昇していません。
2014年02月06日の終値が「1,907.89」で、2024年02月06日の終値が「2,576.20」ですから、KOSPIの値は「35.03%」上昇したことになります。
同様に直近10年間の上昇率を外国と比較すると、以下のようになるのです。
アメリカ合衆国(S&P):+179.36%
ブラジル(Bovespa):+167.28%
日本(Nikkei225):+155.46%
台湾(TAIEX):+117.74%
ドイツ(DAX):+84.01%
オーストラリア(S&P/ASX):+47.75%
中国(上海総合 Sensex):+36.44%
韓国(KOSPI):+35.03%
韓国は中国と並んで、代表的株価指数の上昇率は最低クラス。しかも中国より下なのです。
『ヘラルド経済』が書いているのは、成長率を比較して、同じ直近10年間で「合衆国は韓国の5.1倍、日本は4.4倍成長した」という点です。
こういう状態ですので、先からご紹介しているとおり、韓国の証券マンは「韓国の株式は中国と一緒のように扱われる」と嘆くわけですし、「コリアディスカウント」という言葉が多用されるのです。
コリアディスカウントは、韓国株式の価格は(不当に)低く見られている――という主張です。
裏を返すと、「オレの実力はこんなものじゃない」「オレを甘く見るな」というわけです。
韓国の株式市場にも「恨」が渦巻いているのかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)