小ネタかもしれませんが、韓国政府の危機感を示すものですのでご紹介します。
韓国は貿易のもうけが減ってくると危なくなります。流入する外貨が減るからです。貿易収支(輸出 – 輸入)は通関ベースながら2カ月連続で赤字。
韓国メディアもさわいでおりますが、最も危険度を理解しているの政府当局のはずです。その当局が……。
2022年02月21日、産業通商資源部は「貿易収支黒字転換のための民官総力対応強化」という会議を開催しました(以下はプレスリリース)。
産業通商資源部の文勝煜(ムン・スンウク)長官は、呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長主宰で、『KOTRA』など輸出支援機関と半導体、自動車などをはじめとする業種別協会共に「主要業種ウクライナ事態および輸出状況点検会議」を開催。
ㅇ産業省は、参加者とロシアとウクライナの紛争などによる業種輸出入の影響と展望を点検し、輸出活力を高めるための支援対策を議論した。
緊迫するウクライナ情勢の影響も鑑みて解されていますが、主眼は「輸出入の影響と展望を点検し、輸出活力を高める」のが目的です。
貿易収支が減少している現状について、このような会議を開催しなければならないほど韓国政府は事態を重く受け止めているわけです。
プレスリリースの中の注目ポイントを以下に引用します。
(前略)
エネルギー価格の急騰などの影響で、直近2カ月連続の貿易赤字が発生したが、韓国の輸出増加傾向が堅調に続いているだけに、01月を底に貿易収支は徐々に改善される流れを見せると予想。(中略)
□これと共に(「これ」はウクライナ情勢への対応:筆者注)、早いうちに貿易収支が黒字に転換できるよう貿易保険100兆ウォン、輸出マーケティング1,100億ウォンを上半期集中投入し、サプライチェーン・資源核心国との連帯・協力パートナーシップを強化すると言及する
(後略)
「韓国の輸出増加傾向が堅調に続いているだけに、01月を底に貿易収支は徐々に改善される」としていますが、これが現実になるかどうかが問題です。
韓国政府の予想に反して、資源価格が高止まりし、輸出が鈍化したらどうなるでしょうか?
貿易収支の減少は資源価格の急騰が主因。会議を開催したからといって韓国政府にはこれを止める手立てはありません。
上掲のとおり、貿易保険100兆ウォン、輸出マーケティング1,100億ウォンを投入するといっています。このような資金投入が果たして効くかどうか……です。
韓国政府が貿易収支の赤字を継続させないよう必死になっているのです。
(吉田ハンチング@dcp)