先にちらっとご紹介したことがありますが、『韓国銀行』の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁の任期は2022年03月末までです。
李総裁は「インフレを看過した中央銀行総裁として記憶されたくない」旨の発言をしていらっしゃいますので、退任の置き土産としてさらなる基準金利引き上げを決断するのではないかと見られています。
しかし、ここにきて貿易収支の赤字(経常収支赤字の懸念)、株価の下げ基調、債券価格の下落、通貨安、不動産取引の減少という危険な兆候が韓国経済に現れています。
アメリカ合衆国の『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)が03月から金利引き上げを開始するのが確実視されていますので、韓国としては置いていかれるわけにはいきません。
お金は金利の高い方に流れます。合衆国の金利の方が高いのであれば、当然資金は韓国から合衆国へ移動します。ですので、韓国は合衆国よりも高い金利、またリスクと天秤にかけてもうま味があるという金利でないといけないのです。
こここまでは先制的に利上げを行ってきた『韓国銀行』ですが、上掲のとおりの韓国経済に危ない兆しが現れています。『韓国銀行』の李総裁は断固として利上げを断行できるでしょうか、というわけです。
もし、利上げをして韓国の経済がさらに悪くなったら、「インフレは看過しなかったが経済悪化の引き金を引いた中央銀行総裁」になってしまうかもしれません。李総裁もそれは勘弁してほしいでしょう。
李総裁の任期中最後の決断がどうなるのかご期待ください。
(吉田ハンチング@dcp)