韓国の大手製鉄企業『現代製鉄』が苦境に陥っています。
韓国の製鉄業といえば『POSCO(ポスコ)』が看板ですが、『現代製鉄』は韓国第2位の大企業です。
まず、同社は業績が大きく傾いています。以下をご覧ください。
2023年「通期」実績
総売上:25兆9,148億ウォン(-5.2%)
営業利益:8,073億ウォン(-50.1%)
当期運利益:4,496億ウォン(-56.7%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト
2023年第4四半期には、営業利益が「-2,201億ウォン」と赤字に転落。
上掲のとおり、通期では黒字ではありますが、営業利益は「-50.1%」で半減しました。純利益は「-56.7%」となっています。
ひどい業績ですが、これは円安が関係しています。
円安ウォン高によって、日本の高品質な鋼材が韓国に多く輸入されるようになり、同時に中国からは安価な鋼材が流れ込みっました。そのため、韓国の鉄鋼メーカーは日中のサンドイッチとなり、業績が大きく悪化したのです。
業績が傾いているところに、韓国ではおなじみですが、労働組合が賃上げ闘争を行っています。
2024年03月12日、『現代製鉄労組』が「争議対策委員会」を中心に先制ストを実施。13日から48時間全面総ストライキに突入する予定でした(暫定撤回)。
※労組は、2024年03月22日にソウル良才洞にあるグループ本社にて8,000人余りを動員したデモを行うとしていましたが、こちらも暫定撤回。
まだあります。
アメリカ合衆国の商務省は、韓国の『現代製鉄』と『東国鋼鉄』が輸出した2022年産の鋼板※にそれぞれ2.21%、1.93%の相殺関税を課すと明らかにしています。
韓国の安い電気料金が「政府補助金」と判断されためです。
こういうを「泣きっ面に蜂」というのでしょう。日本・中国のみならず、合衆国からも圧迫されているのです。傍から見ている分には笑っていられるのですが、さあ『現代製鉄』は大丈夫でしょうか。
※厚さ6㎜以上
(吉田ハンチング@dcp)