韓国メディア『毎日経済』が興味深い社説を出しています。「韓国はまだまだイケるぞ」という内容ですが、率直にいって誇大妄想に近いともいえます。以下に、冒頭部分を引用してみます。
2024年、青龍の年(甲子年)の春が訪れた。
年は変わったが、内外の複合的な危機が依然として続く中、米中間の経済・安全保障覇権競争はさらに激化している。
特に今年は、世界的な自国優先主義の流れの中で、先進国の門戸を開いた韓国が内実を固め、中枢国家として成長できるかどうかの試金石になっている。
『毎日経済』は昨年に続き、今年もG5経済大国をテーマに新年を迎えた。
現在の水準の人口を維持し、国民所得を高め、中枢国家を目指すトリプル5(国民所得-5万ドル-G5国家-人口5,000万人)を達成しようという大胆な目標を掲げた。
「あれっ? 先進国の門戸なんていつ開きましたっけ?」なのですが、2024年は「中枢国家として成長できるかどうかの試金石」なのだそうです。
今年も「韓国がG5に入ること」が目標だそうで、大統領に立候補したときの李在明(イ・ジェミョン)さんみたいなことを述べています。
『毎日経済』さんはスッカリ忘れてしまったのかもしれませんが、李在明(イ・ジェミョン)さんがかつて「555公約」※を掲げたときは、経済学者や識者の皆さんから失笑を買ったのです。
※李在明(イ・ジェミョン)さんの「555公約」は「G5になる」「1人当たりの国民所得5万ドルを達成」「KOSPIが5,000を達成するでした。これに加えて「ウォンは基軸通貨になれる」と発言してさらに失笑を買いました。
今回の『毎日経済』による「トリプル5」は、
①G5国家
②1人当たりの国民総所得5万ドル
③人口5,000万人
を達成すること――だそうです。
韓国は、どうもイタリアとカナダを下に見る癖がありますが、その両国を押しのけて韓国がG5に入ると認められることなどあり得ません。アメリカ合衆国・イギリス・フランス・ドイツがそんなことは認めないからです。
もちろん日本だって認めません。
ですので、韓国のGDPがたとえその両国(と日本)を凌駕したとしても、韓国はG5と認められたりはしません。韓国が夢見ているのは、日本の代わりに合衆国、イギリス、ドイツ、フランスに認められ、G5となる未来です。
残念ですが、そんなことは起こりません。韓国はこれから急速に衰亡していくからです。
『毎日経済』が傑作なのは、韓国がG5になったら……と以下のような妄想を語っている点です。
『毎日経済』と『韓国経済人協会』(元『全国経済人連合会』)が、イギリス市場調査機関の国家ブランドスコア「NBI(Nation Brands Index)」を基準に分析した結果、
韓国の現在の国ブランド価値は2兆805億ドルだが、G5に編入されると2兆1,596億ドルに増える
と分かった。
このような数値は、韓国がG5のように世界秩序をリードする国として立地を固めることになれば、国家ブランド価値上昇効果である「G5プレミアム」3.8%がつくことによるものだ。
韓国がG5に編入されると輸出増大効果は171億4,000万ドルに達すると推算された。
また、G5編入は対外新人道に肯定的な影響を及ぼすが、このような流れが実際の国家信用等級上昇につながれば政府の国債負担費用も減少することができる。 難しい対内外条件の中でもG5時代を迎えるための韓国企業の大胆な挑戦は今年も続いている。
(後略)
(後略)の部分には、いかに韓国企業が頑張っているかが書かれているのですが、その部分はどうでもいいのです。なぜなら、韓国企業がどんなに頑張って稼ごうが、韓国がG5になることなど、金輪際ないからです。お金の問題ではないので、考えるだけ無駄です。
したがって、「G5プレミアムが3.8%がつく」とか、「韓国がG5に編入されると輸出増大効果は171億4,000万ドルに達する」などというトラタヌ(取らぬ狸の皮算用)な計算も全くの無駄です。
G5にはならないので。
「トリプル5」という妄想で、①の可能性は全くありません。では、②③はどうでしょうか。
②の「1人当たりの国民所得5万ドル」もまず無理です。
2024年03月05日に『韓国銀行』が公表したデータよれば、2023年第4四半期時点で韓国の1人当たり国民総所得は「3万3,745ドル」でした。
もう何度だっていいますが、韓国はこれから人口が急速に減少していくのです。生産者年齢人口が急減し、潜在成長率が合衆国より低い国が、どうやって1人当たり国民総所得を現在の1.48倍にできるのでしょうか。
また③はもっと確定的に不可能です。
韓国の人口推移予測によれば、最も低位のシナリオを取った場合、2030年代初頭には、韓国の人口は5,000万人を割ります。
ご安心ください。『毎日新聞』がいう「トリプル5」なるものは絶対に達成できません。これぞ「絵に描いた餅」です。
「もらえなかった餅」のことを、朝鮮では「恨」というのです。その意味では、この「トリプル5」も数年後には「恨」になるでしょう。
どうなるかというと――「あいつのせいで餅がもらえなかった」と言い出すのです。見ていてご覧なさい。きっと「日本のせいでG5になれなかった」などと言い出しますよ。
(吉田ハンチング@dcp)