韓国の関税庁が「2024年04月の輸出入現況」を公表しました。以下をご覧ください。
2024年04月
輸出:562億6,000万ドル(+13.8%)
輸入:547億3,100万ドル(+5.4%)
貿易収支(輸出 – 輸入):15億2,900万ドル2024年01~04月累計
輸出:2,200億2,700万ドル(+9.7%)
輸入:2,094億5,400万ドル(-7.3%)
貿易収支(輸出 – 輸入):105億7,200万ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 関税庁』公式サイト「2024年04月の輸出入現況」
当月の貿易収支は「+15.3億ドル」となりました。通関ベースとはいえ薄い黒字です。韓国は貿易一本で食べている国なので、貿易黒字が大きくないと国が傾きます。
韓国メディア(韓国政府も)はすぐに「輸出が◯%増えたー!」みたいに書きますが、輸出が増えたことではなくて、「いくら儲かったのか」を示す貿易収支の方が問題です。
2024年の(通関ベースの)貿易収支の推移を見ると以下のようになります。
当月にガクンと貿易収支が減少しました。
理由はなんでしょうか? 上掲のとおり輸入が増えたからです。貿易収支は、輸出から輸入を引いて求めます。輸入金額が増加すれば貿易収支は減少するのです。
当月は、対前年同期比で「+5.4%」と輸入金額が増加しています。Money1でもご紹介してきたとおり、韓国の輸入は対前年同期比でマイナスが続いていました(以下参照)。
01月:-7.9%
02月:-13.2%
03月:-12.3%
04月:+5.4%
輸入は外国からする消費ですので、輸入が弱ることはいいことではありません。では、なぜ当月は急に輸入が対前年同期比プラスに転じたのでしょうか。韓国内の消費が急回復したのでしょうか。
答えは「NO」で、恐らくエネルギー価格が一時急騰したことが影響したものと推測されます。主なエネルギー資源の輸入金額は大全同期比で以下のように増加しています。
主なエネルギー資源輸入の推移
(対前年同月比の増減)
原油:+17.8%
石油製品:+26.0%
ガス:+21.9%
石炭:-9.4%
合計:+16.0%
現在、原油価格は90ドル手前で小休止していますが、これが抜かれると韓国は困ったことになります(ただし識者の分析では90ドルを抜くのは難しいだろうとのこと)。
(吉田ハンチング@dcp)