韓銀総裁「韓国は構造改革なしには成長率の低下を防げない」

広告
おススメ記事

『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、『アジア開発銀行』(ADB)の年次総会でジョージアを訪問。2024年05月02日(現地時間)、記者団と懇談会を行いました。

この懇談会での発言は非常に面白いものでした。

なぜGDP成長率が急上昇したのか?……よう分からん

まず、韓国メディアも大喜びしている「2024年第1四半期のGDP成長率(暫定版)が予想値の2倍を上回る1.3%となったこと」です。

韓国の金融通貨委員会は05月23日に行われますが、そこで従来予想の2024年GDP成長率の予測を、これまでの2.1%から2.5%程度に上昇させるのでは――と報道が出ています。

これについて、李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は「『OECD』(Organisation for Economic Co-operation and Developmentの略:経済協力開発機構)の修正見通しどおりになるかは、今後の資料を見て調整するが、上方修正が避けられないのは事実」と述べました。

『OECD』は韓国のGDP成長率の予測を2.6%に上方修正しています。

――で、どうして第1四半期のGDP成長率が予測の2倍になったのかについて、李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は以下のように述べているのです。

「予想より大きな差が出たので、どこで差が出たのかは検討中

天候の問題なのか、携帯電話の販売効果なのか、その理由を確認するには時間がかかる」

なぜ予測から大きく乖離したのかは――総裁にもまだ分からないのです。韓国メディアの一部では「内需が大きく伸びた」と書いているところがありますが、これはフライングです。

なぜなら、李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は以下のように述べているからです。

「輸出はいいと思ってはいたが、内需が思ったより堅調で、『韓国銀行』の立場で見逃したことに対する影響が一時的なものなのか、長く続くのか点検しなければらならない。どのように解釈し、金融政策に反映するかだ」

(内需が弱ると見ていたのだが)思っていたよりも堅調と述べているだけで、「大きく伸びた」などとはひと言も言っていません。『韓国銀行』が「何を見逃していたのか」――はこれから点検するのです。

結局、第1四半期のGDP成長率が大きく伸びた理由については「なんや、よう分からん」というのが現在のところです。

韓国には構造改革が必須。調整は必ず入る

今回注目すべきなのは、GDP成長率よりも、むしろ以下のような李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁の発言でしょう。

「(ドルウォンの)変動性が大きくなった原因は、中東戦争が引き金でを引いたもので(韓国)経済のファンダメンタルズとは関係ない要因だ。円のように切り下げ速度が速く、これを調整しなければならないという次元で介入した」

「金利による金融不安については、不動産PF(プロジェクトファイナンス)などについて秩序ある調整を行うことは避けられない

「痛みを伴わずにうまく解決されるとは思っていない。負債を非常に増やしたので、金利を低い水準にして痛みを解決することは解決策ではない」

韓国の場合、構造改革なしには成長率の低下を防ぐことができない

「成長潜在力を引き上げることが急務」

高齢化のために成長率が下がることを当然と考えてはならず、2%以上の潜在成長率を維持できるように努力しなければならない

多岐にわたる示唆を行っています。

特に「韓国の場合、構造改革なしには成長率の低下を防ぐことができない」というのは、まさに急所を突いた発言といえるでしょう。

その上で、高齢化によって成長率が下がるのを「当然」とは考えず、努力すべきだというのは韓国に対する叱咤激励です。政治家はこれに答えなければなりません。

ところが――先の総選挙で当選したのは――社会主義者なのかという左巻きな人物ばかりなのです。素晴らしい中央銀行総裁がいても議員がボンクラばかりでは、立法上何もできません。

中央銀行だけでは何もできない、という現実を韓国の議員はもっと理解すべきです。

(吉田ハンチング@dcp)

広告
タイトルとURLをコピーしました