「被害者6,000人以上」のウソ。

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いわゆる「徴用工問題」と、いわゆる「慰安婦問題」について日本人の理解が深り、「ウソばっかつくんじゃねーよ」となってきたので、次の「日本に謝罪と賠償を請求できるかもしれないネタ」を探しています。

この新しいネタが(古いですけど)、「関東大震災(1923年:大正12年09月01日)の際に日本人が朝鮮人を虐殺した」です。

北朝鮮が経済的に困窮し、ミサイルを撃っても誰も相手にしなくなっているため、「謝罪」「謝罪」とかまびすしくなっています。これは毎度おなじみの――誠意ある謝罪を要求すると言い、「賠償金を出せ」から「賠償金を取った」――につながるルートです。

「6,000人以上」に信憑性はない

韓国メディア、日本メディアの一部まで「関東大震災の際に6,000人以上の朝鮮人が虐殺された」と書きます。

最初に述べておきますが、この6,000人以上という数字に信憑性はありません。

「6,000人以上」という数字のそもそもの出どころがどこかというと、上海へ逃げ出した大韓民国臨時政府が発行する機関誌『独立新聞』が報じたものです。

このリポートでは虐殺の被害者は「6,661人」となっています(明らかな足し算間違いを含む数字です)。これが現在に続く「6,000人以上」という数字の根拠となっているのです。

しかし、このリポートは、いったい誰が調べたのか、どういう経緯で調査されたものなのかが全く分かりません。例えば、山田昭次先生は「特派員は名古屋にいた韓世復さん」と推定していますが、それでは『独立新聞』自身の「上海から派遣した」という主張と矛盾します。

また数字自体も、地名のダブりや意味不明なカウントも多く見られます。

例えば「小松川附近2人、同地区220人、小松川附近20、同区地域1人、同区地域26人」といった記載があります。どのように理解していいのか分からない数字です。

ですので、「6,000人以上」には信憑性はありません。

関東大震災で何人亡くなったのか?

工藤美代子先生の『関東大震災 『朝鮮人虐殺』の真実』という本があります。筆者はこの著作の主張自体には賛成しませんが、注目すべき点はあります。「被害者の推計方法」です。

これまでは、「◯◯地区で◯人」という積み上げ方法で「計◯◯人」としてきました。もちろん、この方法が最も適切ですが、現在となっては「虐殺」による被害者を正確にカウントするなど不可能です。

工藤先生が行った推算は「その当時、日本には朝鮮人が◯人いた。関東大震災後に□人だった。つまり、(◯ – □で)最大でも△人の被害者と見るのが正しい」というものです。

注意していただきたいのは、「△人」には地震による被害者が含まれていることです。

関東大震災は世界でも類を見ない大災害で、関東地区の約10%の人口が死亡したと計算されています。朝鮮人だけが地震被害から全員生きのび、虐殺の被害に遭ったなどという話は通りません。

△人には当然、地震による被害者が含まれますので、「虐殺された」となる人数はそれよりも減ります。

――では、工藤先生は何人と推計したのでしょうか。

同書から推算を引用します。

まず、関東大震災時に東京および近県にいた朝鮮人は何人だったでしょうか?

1.当時の東京における在日朝鮮人は約9,000人。
 前年大正11年末時点における同人口は『東京府統計書』によって7,028人と特定されている。
 関東大震災が発生するまでに流入人口が多かった。

2.政府関係文書は震災時に地域圏外に帰郷、仕事、休暇などの理由で出ていたと推定できる人数を2割と見て、1,800人ほどを差し引いている。つまり、東京に残っていたのは約7,200人。

3.東京近県での在日朝鮮人の人数は約3,000人。
 そのうち、同じく圏外に出ていたのを東京より少なく見積もって約400人。つまり、東京近県にいた朝鮮人は約2,600人。

「2」と「3」を足して、関東大震災に被災したと推定される朝鮮人は「約9,800人」。

関東大震災後、日本政府・軍・警察は朝鮮人を保護しています。その人数は文書で確認できます。

1.09月15日までに習志野陸軍厩舎に保護したる鮮人3,169名
2.(墨東の)労働者4,000名主として本所深川辺に居住せり。目下警察署に収容し保護を加ふる者合計2,500名
3.埼玉、栃木、両県下各警察署に於いて、保護中なりし鮮人471名。
4.神奈川県庁に於ては鮮人約40名を収容し保護を加へつつあり。
5.目黒競馬場に収容保護を加へつつある鮮人は約617名なり。

09月17日現在(後藤新平内務相国会答弁録)の数字である。つまり、各所に収容・保護されていた朝鮮人は合計「6,797人」だったことになる――というのが工藤先生の積算です。

関東大震災に被災した人口が「約9,800人」だとして、保護したのが「6,797人」ですから、引き算して「3,003人」。この時点で「虐殺されたのは6,000人以上」などという数字はあり得ないことになります。

この数字にはいわゆる「虐殺」ではなく、地震による建物倒壊・火事によって亡くなった方を含みます。繰り返しますが、朝鮮人は地震被害で全く死にませんでした――なんて話はあり得ません。

(おかしな表現かもしれませんが)純粋に地震によって亡くなった朝鮮人は何人と推計できるでしょうか。

本所区・深川区における日本人の対人口死亡率が15%に上ることから、工藤先生は朝鮮人の対人口死亡率を多めに見て20%で計算していらっしゃいます。「多くの朝鮮人の家屋はおそらく耐震的にも弱く、劣悪な環境だったと推察される」のを理由としてのことです。

関東大震災に被災した人口が「約9,800人」に対人口死亡率の20%を掛けると、1,960人。

日本政府が認定した、不法なリンチなどによる被殺者が233人。

――ということは、

在京浜地区朝鮮人:約9,800人
地震によって死亡した朝鮮人:1,960人
保護収容された朝鮮人:6,797人
被殺者:233人
残(行方不明):810人

となります。つまり、日本政府が認定した不法に殺害された朝鮮人233人以外にもそのような人がいたとしても、合算して6,000人以上になることなど物理的に不可能――という計算です。

念のために付記しますが「被害者が少数だから虐殺ではない」という話ではありません。

(吉田ハンチング@dcp)

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