2024年08月02日、中国の外交部が定例記者ブリーフィングで面白いQ&Aがありましたのでご紹介します。
インドネシアが中国に発注して造った高速鉄道について質疑応答です。
日本のオファーを蹴飛ばして中国を選んだインドネシアですが、読者の皆さまもご存じにように、日本人からすればこれはインドネシアによる背信行為と受け取れるものでした。
日本から技術供与を受けてできたくせに、中国は事実を無視して「中国の高速接道は独自技術」などと強弁しています。こういう部分はまさに大朝鮮・中国の面目躍如なわけですが、日本からすれば人から恵んでもらった技術なくせに何言ってやがるんだ――です。
インドネシアの高速鉄道は、2023年10月に開業、「Whoosh(ウーシュ)」という名前で呼ばれています。首都ジャカルタと西ジャワ州バンドン間の約142kmを結んでおり、所要時間は約45分。
↑「ウーシュ」の車両は、銀と赤色のカラーリングのせいか円谷プロの「ウルトラメカ」に見えませんか?
これまでジャカルタとバンドン間は移動には3時間も掛かりましたが、ウーシュを使えば1/3未満の時間で移動できるのです。
ただし、お金も掛かりました。中国が当初約束した予算ではできず、結局72億ドルまで膨らみました。予定より3割増しです。
また、中国が約束した「インドネシアに公費負担を求めない」という条件も反故になりました。インドネシアは国費を投入する羽目になったのです。
インドネシアの高速鉄道は、中国とすれば(日本の技術を剽窃したくせに)世界に誇りたい案件です。そのため、自国メディアを使ってわざわざ質問させたものと見られます。
以下が今回の質疑応答です。
『深圳衛視』記者:
報道によれば、中国インドネシア高速鉄道会社(KCIC)は最近、インドネシアの運転手が時速350キロメートルのジャワ高速鉄道の高速列車を運転できるようになったと発表しました。これはジャワ高速鉄道プロジェクトの運営・維持の人材育成において大きな進展を示しており、インドネシアが将来的に自律運営を実現するための基盤を築いたことを意味します。中国側はこれについてどう考えますか?
林剣:
ジャワ高速鉄道が昨年成功裏に開通して以来、両国のチームは高速鉄道の運営管理、人材育成、技術移転などの面で全面的な協力を行ってきた。現在、ジャワ高速鉄道の中国側チームは、インドネシアの初めての高速鉄道列車の運転手を含む160名以上の学習者の資格訓練を完了した。
インドネシアは独自の高速鉄道技術チームを持つようになり、私たちは非常に喜んでいる。
これは中国-インドネシア互恵協力の生き生きとした縮図であり、「一帯一路」構想の共商共建共享の理念を体現している。
中国側はインドネシアと共にジャワ高速鉄道の高品質運営を進め、この路線を富裕への道、幸福への道、安心の道にすることを望んでいる。
「インドネシアは独自の高速鉄道技術チームを持つようになり、私たちは非常に喜んでいる」と宣っています。全くいい気なものです。
「盗んだ技術で走り出す」を地で行くものです。
ちなみに、中国の外交部の定例記者ブリーフィングはすでに夏休みに入っています。08月05~16日がお休み。ブリーフィングの再開は19日からになります。
さらにちなみに――。
――中国外交部の報道官だった汪文斌さん(上掲写真・右)は駐カンボジア中国大使に栄転していらっしゃいます。さんざんご紹介してきた昔なじみの人が栄転というのは、全然関係ありませんが、感慨深いものがあります。中には王毅さんのように出戻りという人もいらっしゃいますが……。
(吉田ハンチング@dcp)