そんなこと言っても大丈夫か――という話です。
2024年08月08日、韓国の国土交通部が「国民への住宅安定のための住宅供給拡大案」というプレスリリースを出しました。
土地住宅公社(略称「LH」)が造成する首都圏公共宅地(共同住宅・住宅商業複合用地)に対して「22兆ウォン規模の未分譲買取確約」を提供するとしたのです。
以下がプレスリリースの該当箇所です。
(前略)
2. 今回の対策の核心内容は?
まず、短期的な供給不足の懸念を解消するため、整備事業のスピードを向上させ、首都圏の公共宅地住宅供給の早期化、住環境が優れた高品質の住宅を追加供給する方針を進めます。整備事業は、仮称「再建築・再開発促進法(特例法)」の制定を通じて手続きを最大限に統合・短縮し、紛争調整専門家の派遣義務化などを通じて不確実性を解消する一方、住宅年金で分担金の納付を許可し、初期事業費を基金の低利融資で支援するなどして、ソウルで進行中の37万戸の事業期間を最大限に短縮し、2029年までに13万戸以上の着工を支援する予定です。
首都圏の公共宅地は『LH』(韓国土地住宅公社)において22兆ウォン規模の未販売住宅の買収確約を提供し、後販売条件付きで供給された宅地を前販売できるように許可し、約4万戸の早期着工を促進します。
民間部門がソウル中心部および首都圏に短期供給可能な高品質の住宅を十分に供給できるよう支援する計画です。
未販売リスクの事業者がいなく、賃貸詐欺を心配する入居者がいない公共新築買収契約を2025年までに11万戸以上供給し、特にソウルではマンション供給が正常化されるまで無制限に買収し、月賃貸および年賃貸住宅として供給する予定です。
そのうち5万戸はアパート水準の住環境を備えた中型平面住宅を中心に買収し、6年間の居住後に分譲転換できる新しいモデルとして供給する計画です。
中長期的な供給基盤を強化し、将来世代の住宅問題を軽減するために、首都圏の公共宅地で10万戸の追加供給も推進します。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国 国土交通部』公式サイト「신규 주택공급에 상당 시간이 소요되는 만큼 당장의 집값 안정에는 한계가 있는 것 아닌가요?」
これは、先に発表した首都圏公共宅地の早期着工を誘導し、迅速に供給するための措置ですが……それにしても思い切った内容です。
読者の皆さまもご存じのとおり、文政権前政権時に韓国の不動産価格は急騰しました。これはコロナ禍の下、金利が韓国史上最安値まで下がり、ジャブジャブになった資金が資産市場になだれ込んだためです。
これを封じるため、アンポンタンな文政権はとにかく不動産購入した者に税金を重くする施策ばかりを打ちました。
需要と供給のバランスが市場価格を決めるので、国民が負債を無理に増やしてまで不動産を購入するのを止める一方で、供給を増やす方策を考えるべきだったのですが、文政権は懲罰のような課税政策ばかりを取りました。
遅れ馳せながら、供給を増やす方向に舵を切ったのは政権末期で、これが尹錫悦(ユン・ソギョル)政権に丸投げされました(ことほどさように文政権というのはいい加減だったといえます)。
で、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権になってからも、特に値段が上がった首都圏に住宅を供給する計画が遅々として進まず、メディアからも「何をやっとるんじゃ」と非難の声が上がっていました。
そこで――というわけです。
早く着工して住宅を供給するために、出てきたのが今回のプランです。
驚くのは、「首都圏の3万6,000戸(約4万戸)」を「未分譲買取確約適用対象」とする――という部分です。民間業者にとにかく早く、2025年中までに着工しろ!とし、もし竣工後に未分譲となったら(売れなかったら)、政府が買い上げてやらあ!とうのです。
その金額は「22兆ウォン規模」で、2025年までに11万戸以上の買収契約を供給して、特にソウルではマンション供給が十分に正常化されるまで無制限に買収するとしています。
豪快という他はない話です。
政府は08月中に「はい、やります!」と希望した企業の申請を受けた後、買取約定を締結して政策成果を可視化し、以後該当団地着工を管理する――としています。
こういうのをダイナミックコリアというのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)