韓国の『現代自動車』は、アメリカ合衆国ジョージア州に電気自動車工場※を建設しています。事業費は76億ドルとされるビッグな企画で、2024年10月には工場が稼働する予定だったのですが……地元の環境団体がこれに待ったをかけた、という情報が出ました。
※Hyundai Motor Group Metaplant America LLC、略称「HMGMA」の工場。2022年10月25日に起工。「2025年前半に生産を開始、年間生産能力は30万台」となっていた。工場の稼働が予定より遅れています。
「フロリダ帯水層」とつながってないわけがないだろう
異議を唱えているのは『Ogeechee Riverkeeper』という環境団体(略称「ORK」)。同団体はオッサバウ・サウンドとセント・キャサリン・サウンドに流れ込む全ての川を含むオギーチー川流域の水質を保護、保全、改善する活動を行っています。
2024年08月08日、『ORK』は以下のようなプレスリリースを出しました。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。⇒参照・引用元:『Ogeechee Riverkeeper』公式サイト「RELEASE: ORK to submit official comments to GA EPD on wells」
『ORK』が問題にしているのは、この『現代自動車』の工場が1日当たり2,500万リットルの地下水を汲み上げて使用することです。
すでにブライアン郡とブロック郡が地下水汲み上げに許可を出しているのですが、これを疑問視しています。許可を出した際に提出されたプランの見積もり・審査が甘かったのではないかというものです。
ジョージア州環境保護局(EPD)が審査したプランでは「フロリダ帯水層と地元の河川や泉の間に水力接続がない」としているのですが、「そんなことはないだろう」というわけで、に意見を提出する予定――とのこと。
『ORK』は、
「フロリダ帯水層と地元の河川や泉の間に水脈の接続がないというEPDの想定に疑問を呈します。
帯水層の水位が下がると、オギーチー川やサバンナ川、支流、さらには絶滅危惧種の大西洋チョウザメやショートノーズチョウザメにも悪影響が及ぶ可能性があります」
と懸念を表明しています。もし環境保護局の見積もりが甘くて影響があった場合、自然環境が損なわれる可能性があります。
そもそもIRAが存続するのかも怪しくなっている
――ともあれ、『現代自動車』にとってみれば「今さらそんな」な話です。
この工場は30万台を製造できるという大きなもので、『IRA』(インフレ削減法)による補助金適用を得るために突貫工事で進めてきました。
それが稼働寸前まできて、待ったが掛かったのです。
先にご紹介したとおり、トランプさんが「IRAなんかひっくり返してやらあ!」と意気込んでいますので、もしトランプ大統領が実現すると、せっかく工場を造ったのに――、
「補助金不ゲットだぜ!」
――になる可能性もあります。
(吉田ハンチング@dcp)