2025年11月05日、『韓国銀行』が2025年10月末時点での外貨準備を公表しました。
以下です。
2025年10月
外貨準備高:4,288億ドル(約65兆8,723億円)※
前月比:+68億ドル<<内訳>>
⇒Securities:3,780億ドル(約58兆1,298億円)
(証券類)
前月比:-5億ドル⇒Deposits:259億ドル(約3兆9,788億円)
(現預金)
前月比:+74億ドル⇒SDRs:158億ドル(約2兆4,272億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:-1億ドル⇒Gold:44億ドル(約6,759億円)
(金)
前月比:増減なし⇒IMF position:48億ドル(約7,374億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:-1億ドル※円換算は2025年11月05日「1ドル=153.62円」のレートで算出
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Official Foreign Reserves(October 2025)」
当月は外貨準備全体で「68億ドル」増加しました。
特に注目したいのは現金たるDeposits(預金)が「74億ドル」も増加している点です。
『韓国銀行』は当月外貨準備が増加した理由について以下のように説明しています。
↑黄色のマーカーでフォーカスしているのが外貨が増えた理由の説明。□2025年10月末、わが国の外貨準備高は 4,288億2,000万ドル で、
前月末(4,220億2,000万ドル)に比べ 68億ドル増加。○運用収益の増加、外国為替平衡債(外平債)の新規発行などが主な要因。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2025年10月末の為替保有額」
外平債を発行して得た外貨が資産増加につながったのです。
外平債は負債(返済しなければならないので債務)ですが、外貨準備は資産の部しか見ないので、借金しても外貨準備高は増加するのです。
2022年01月から2025年10月までの外貨準備高の推移を見ると以下のようになります。

韓国は外貨準備を詰めない――という状況になっていましたが、外平債の発行をしてまでDeposits(預金)を増やすという動きをしています。
この理由は、恐らく「対米投資で2,000億ドルの直接投資を行わざるを得なくなったこと」と関係しています。
韓国政府は、最大年間200億ドルのキャッシュアウトを「外貨準備の運用益で賄おう」と目論んでいます。それには「投資に使うための玉」がいるのです。

↑2025年10月23日に韓国の企画財政部が出した「外平債発行」のプレスリリース。「2025年5月の追加補正予算で外貨建て発行枠を12億 ⇒ 35億ドルに拡大した国会決議を受けた対応」と書いています。2025年は年間34億ドルの外平債を発行する予定で、これはアジア通貨危機翌年の1998年「年間40億ドル」に継ぐ規模です。
――というわけで、外貨準備は68億ドル増えましたが、大して喜ぶような話ではありません。
(吉田ハンチング@dcp)








