2025年11月20日、韓国の産業通商資源部が「10月の自動車産業の動向」を公表しました。
2025年10月 自動車産業動向
自動車の01〜10月累計輸出は596億ドルを記録し、同期間の歴代最大値を達成
稼働日数の減少にもかかわらず、環境配慮型車の輸出は前年同月比で増加傾向を維持
2025年01〜10月累計の自動車輸出額は、同期間の歴代最大実績である596億ドルを達成した。とりわけ、環境配慮型車の輸出は20.0億ドルを記録した。
ただし、2025年10月の自動車輸出額は55.5億ドルで、前年同月比△10.5%減少し、内需販売(△12.8%)・生産量(△17.6%)ともに前年同月比で減少したが、これは、秋夕(チュソク)連休の移動(’24年9月→’25年10月)、休業日調整などにより完成車メーカーの稼働日数が前年比で3〜4日(14.3%〜20.0%減少)減少したことが主要因として作用したためである。
01〜10月累計輸出額:
(1位)’25年 596億ドル
(2位)’24年 591億ドル
(3位)’23年 580億ドル
(後略)
自動車の01〜10月累計輸出は596億ドルを記録し、同期間での歴代最大値――と誇っていますが、2025年単月では、対前年同期比で「-10.5%」です。

↑10月単月では自動車輸出は「-10.5%」。
問題は、韓国産自動車にとって最大の市場であるアメリカ合衆国でどうなったのか?――です。
以下をご覧ください。

2025年10月の対合衆国輸出額は「21億2,400万ドル」です。EUが「7億4,600万ドル」しかないことから、いかに合衆国市場が韓国産自動車にとって重要か分かるでしょう。
北米~アフリカまで全部足すと、2025年10月の韓国産自動車の輸出金額は「55億3,900万ドル」です。つまり、全自動車輸出のうち、対合衆国輸出が「約38.3%」を占めているのです。
この最大市場でずっこけたら韓国産自動車はおしまいです。韓国政府が必至になって対米関税交渉を行った理由はここにあります。
ところが上掲のとおり、対前年同月比で対合衆国輸出は「-29.0%」。ほぼ3割減となっています。
2025年01~10月累計の対合衆国輸出額は「247億9,300万ドル」。対前年同期比「-15.9%」の急減です。
現在、韓国産の自動車はいまだ25%の関税をかけられています。共同ファクトシートでは「15%に下げる」ことは明記されたものの、「いつからなの?」――は、韓国産業通商資源部の説明によれば、
「関税引き下げの発効時点は、自動車・部品関税については、戦略的投資MOU履行のための法案が国会に提出される月の01日付で遡及適用することで合意した」
――となっています。
韓国国内で戦略的投資MOUを履行するための特別法案が提出され、起算月が確定するまでは関税は下がらない――のです。で、この戦略的投資MOU履行のための法案はいまだ出てきていません(2025年11月20日現在)。
『共に民主党』は「法案審議も12月を超えないようにする」としているのですが……さあ、どうなりますか。
(吉田ハンチング@dcp)







