「実はまだいるのです」――みたいな話です。

↑韓国釜山のすぐ西に造成する加徳島新国際空港のすんばらしい完成予想CG。
経済的メリットが薄く、未来の赤字空港になることが分かっている「加徳島新国際空港」ですが、(よせばいいのに)まだやっているのです。
2025年11月21日、韓国の国土交通部が(本当によせばいいのに)「加徳島新空港用地工事が再推進…2035年開港を目標、年内に入札公告」というプレスリリースを出しました。
面白いことになりましので、以下に一部を引用します。
(前略)
用地造成工事は、設計・施工一括入札方式で推進する予定であり、工事期間は106カ月、工事金額は物価上昇を反映した10兆7,000億ウォン規模で算定した。政府は加徳島新空港建設特別法に基づき基本計画を樹立した後、工事に着手するための入札手続きを進めてきたが、4回の不調に続き、『現代建設コンソーシアム』との随意契約手続きが今年6月に中断され、事業再開のための方策を模索してきた。
特に、加徳島新空港事業を成功裏に推進するためには、何よりも空港の建設および運営過程で安全が確保されることが最も重要だと判断し、入札方式や工事期間など事業推進案について十分な技術検討を行い、専門家などの意見を幅広く収れんした。
入札は、施工業者が専門性と責任性を持って、土石採取→軟弱地盤処理→防波堤設置→海上埋立→陸上埋立→滑走路設置などの複数工程を有機的に連携させることができる、設計・施工一括入札(ターンキー)方式で推進する。
これは、新空港予定地に海上軟弱地盤が厚く分布しており、陸・海上にかかる滑走路という特性上、不等沈下の可能性がある高難度工事である点を考慮したものである。
(後略)※「不等沈下(ふとうちんか)」とは、建物・構造物・地盤などが「場所によって異なる量で沈下する」現象を指すことをいいます。
⇒参照・引用元:『韓国電子政府』公式サイト「가덕도신공항 부지공사 재추진…2035년 개항 목표, 연내 입찰 공고」
まず大笑いなのは、工事期間が「国土交通部が言い張っていた絶対84カ月」から後退。「106カ月」に伸びました。
これは『現代建設』が「そんな短期間ではできねーってば!」とさじを投げて「抜けた」ことが影響しています。


2029年に開港だ!――だったのも「2035年開港を目標」に延期されました。
(そもそも無駄な空港ですが)おから工事・ケンチャナヨ製法・パリルパリルで無理やり期限に間に合わせて、ポンコツ国際空港を造るよりは「マシな判断」だといるでしょう。
予算も増やした――としていますが、この「10兆7,000億ウォン」というのは、韓国史上最大規模の土木工事となります。しかも、造ったことのない洋上に突き出た滑走路を持つ空港です。
傑作なのは、国土交通部自体が「海上軟弱地盤が厚く分布しており……」と認めていることで、本当に韓国にこのような場所に「安定した空港が造れるのか」が大いに注目されます。
とりあえず、国土交通部が「再推進」と書いているので、やるのでしょう。非常に楽しみな案件です。
(吉田ハンチング@dcp)






